橙月水墨画教室 Sumi-e class in Tokyo

西日暮里と世田谷用賀で水墨画教室開催中です。 渋谷の国際墨画会では、英語クラスを担当しています。 Sumi-e class in Nishinippori and Setagaya (Yoga) in Tokyo. International Sumi-e Association in Shibuya, English class lecturer.

カテゴリ: イベント Event

旅の最終日は、清末の1904年に発足した、篆刻を中心とする学術結社「西泠印社」を訪れました。
2011年に世界遺産として登録された杭州郊外に位置する西湖の畔に印社本拠地があります。

西泠印社入口前の景色。
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今回の旅行を通じてずっとどんよりとしたお天気でしたが、黄山しかり、こちらの西湖も曇り空や時雨が似合う風景で、とても風情がありました。まさに水墨の世界です。この周辺のエリアは大変人気があって、不動産の価格がとても高いとのことでした。

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印社の入り口。
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内部の庭園。朝一番だったので、人影もまばらでとても静かでした。
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ここを訪れた最大の目的は、敷地内にある本店で印泥を購入することでした。まだ朝早くてお店が開いてなかったので、涼しくて気持ちのよい空気を吸いながら、庭をしばらく散策。
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9時半にオープンしたお店は日本語を話すスタッフがいて、ドルも円もOK。今回の旅行で思いましたが、そういう場所は大抵価格が観光客プライスな気がします。こちらも予想していたよりかなり高い値段で販売していて、1両が安いもので6000円、高いもので10000円しました(ちなみに、4個買うと5個目はタダ)。ただ、西泠印社というとブランドなので、本店に来た記念にと、参加者はほぼ全員が数個購入。午後のフライトに間に合うように上海に戻らなくてはならないので、あまり時間もない中、店員さんたちの売り込みも激しく、皆慌ただしく品定めをしていました。少し他の人たちより早く終わったので、バスに戻ろうとすると、入口近くの同じ敷地内のお店が少し遅れてオープンしたところだったので入ってみました。そこにも同じような印泥が売っていましたが、値段は半分!品質の良し悪しは不明ですが、同じ印社の庭にある、同じブランドの、同じサイズと色のもので、なんで値段が半額なのかは不明でした。。。(ちなみに、こちらにいた店員さんたちは日本語ができませんでした)。

幸い渋滞もなく、上海の空港には時刻通りに無事到着しました。
4泊5日の短い日程でしたが、文房四宝の故郷で、それぞれの製造過程を見学することができて、とてもよい経験ができました。
何事にも共通したことですが、やはり実際に目にしてみるのは大事だなと改めて思いました。

そしてガイドの羅さんのおかげで、食事も大満足!帰国後驚いたことは、あんなに朝昼晩食べ続け、移動は全てバスでほとんど歩かなかったのに、体重が増えていなかったことでした。中華料理、すごいです!

4日目は、歙県にて、中国三大硯の一つである歙硯の工房見学に伺いました。

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職人さんたちが、硯の石を加工しているところ。

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こちらは墨の工房も兼ねていて、同じ敷地内で墨も作っていました。

煤と膠と香料を混ぜたものを練り合わせ、墨を作っていきます。
工程は日本の墨の作り方もほぼ同じでですが、日本ではひたすら手や足で練るのに対し、中国は練り合わせたものをハンマーで叩くのが特徴です。また、煤と膠の配合も中国と日本では異なるので、発色やにじみ、硬さ、粘りなどに違いが出てきます。水質の違い(中国は硬水、日本は軟水)などもあり、中国の墨は固いのが特徴で、保管に気をつけていないと湿気の多い日本では割れやすいという弱点もありますが、深味のある美しい色を出すことができます。

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練ったものを型にはめているところ。
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乾燥させているところ。
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出来上がった墨に彩色をしているところ。
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午後は徽墨(安徽省産の墨。名墨として有名)の開発者である清時代の墨匠、胡開文の生地、績渓上荘村へ。
胡開文記念館を訪れました。

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記念館の外にあった趣のあるベンチでは、地元の方たちがのんびり井戸端会議をしていました。
川が流れる、のどかな風景が美しい村です。

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午後は同じ村の徽墨工房へ。
午前中に見学した工房よりも大分小さなローカル工房でしたが、こちらも職人さんたちが一から全部手作りしていました。家族経営されている工房で、ご両親と跡継ぎの息子さんが案内してくれました。(英語は全く通じなかったので、ガイドさんに通訳してくれました)。日本にも輸出しているという午前中の工房では松煙墨が一つ4000円くらいで販売されていましたが、こちらは同じサイズの桐箱入り松煙墨がたったの600円(!)で販売されていました。質にどの程度の差があるのかは使ってみないと分かりませんが、試しに両方購入してみたので、使ってみるのが楽しみです。

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見学後は、227キロの道のりをミニバスで約3時間半かけて杭州へ。
今までとはうってかわり、大都会に到着です。

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5月前半、イギリスとイタリアに行ってきました。

今回の欧州訪問最大の目的は、イギリスに住む友人の結婚式に出席することでしたが、そこで初の書道パフォーマンスをする機会に恵まれました。

会場はイギリス北部のニューキャッスルにある1800年代に建てられたお屋敷です。

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当日のスケジュールは午前中に人前式、ドリンク、ランチを兼ねたレセプション、写真撮影、ランチ後のドリンク、夜のビュッフェ、ダンスと続き、おひらきは夜中の12時。書道パフォーマンスは夜に行われました。

式会場。
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レセプションの様子。
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ランチメインのラム肉。臭みがなくてとても美味しかったですが、すごいボリューム!
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友人の新婦は日本人で、新郎はイギリス人。列席者の8割はイギリス人で、残りは日本人やフランス人、アメリカ人、などなどでした。
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書道は見たことがないという人がほどんどだったので、まずは簡単なレクチャーから行いました。日本語の漢字、仮名、文字の歴史、現代日本の書道についてなど、作品例の写真などと共に、英語でざっくりと説明しました。

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今回は漢字ではなく、日本の伝統である古典仮名書道を紹介したかったので、お祝いの席にふさわしくて、日本人なら誰でも知っている和歌を題材に選びました。

我が君は 千世に八千世に さざれ石の 巌となりて 苔の生すまで ~読み人知らず~

(私の大切な君は、人の千倍も八千倍も永遠に生きて、小さな石が岩になってそこに苔が生えるまで、長寿でありますように/『古今和歌集』中島輝賢偏 角川文庫より)

ご存知、古今和歌集の「賀の歌」から、国歌の元になった歌です。国内では何かと物議を醸しますが、元々は、大切な人の健康と長寿を願う親愛の情を含んだ美しい歌です。

イギリス人の友人にチェックしてもらって、こんなかんじに英訳してみました。
May you live a long life, for thousands of years, until pebbles grow into mighty rocks lush with moss.

用意したのは、筆、紙、墨汁(万が一のため、水で洗って落ちるもの)、落款、印泥、下敷き、文鎮です。
席上揮毫は初めてだったのでかなり緊張しましたが、書道を見たことがない人たちがほとんどというのを救いに、なんとか最後まで書くことができました(^^;)

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書道の出来はともかく、多くの方に興味を持ってもらえたようでよかったです。パフォーマンス終了後、自分の名前やイギリスの諺を仮名で書いてほしいというリクエストや、書道に関する質問などをたくさん頂きました。列席者の方たちだけでなく、会場のスタッフである両腕に入墨が入ったバーテンのお兄さんたちからも、「腕に入墨を入れたいから名前を書いてほしい」とリクエストがありました😊

バーテンのお兄さん。
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結婚式場はこの後ダンスパーティー会場へと変身し、パーティーは夜中まで続きました。
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毎年6月には一般社団法人せいわ會の総会が開催されますが、総会後の恒例イベントとして、様々な分野の専門家をお呼びして講演会が行われます。

今年はゲストスピーカーに、小室かな料紙工房の三代目、小室久さんをお迎えしました。

http://kanaryoshi.com/artisan_studio/artisan/

小室かな料紙工房は、以前ブログで少しご紹介させて頂きましたが、恵比寿の料紙専門店「翠祥堂」の料紙を制作していらっしゃる工房です。

伝統的手法に則って丁寧に手作りされた料紙は、一枚一枚が芸術作品で、ため息が出るほど美しいです。
このブログにもリンクが貼ってありますが、料紙についての詳細は小室かな料紙工房さんのサイトに掲載されていますので、ご興味ある方はぜひご覧になってみて下さい。

http://kanaryoshi.com/kanaryoshi/

今回は料紙について、材料や道具、制作工程などについてお話をして頂きました。

こちらは料紙の版木です。材質は山桜の木で、浮世絵版画の彫り師さんに文様を彫ってもらうとのことです。
木版

実演指導も行われました。
料紙実演風景

今回参加者が挑戦したのは、版木に砂子(銀の粉)を定着させた和紙を乗せ、上から陶器で紙をこすり、文様を「擦り出す」作業です。手袋をしているのは、手の脂が紙についてしまうと、墨を弾いてしまうからだそうです。
実演

「擦り出し」と呼ばれる手法です。上の作業によって、無地の和紙に、美しい文様が浮かび上がります。
料紙2

書道をやっていても、料紙をどのように作るのか、なかなか実際に目にする機会がないので、皆さん興味津々で実演に取り組んでいらっしゃいました。料紙工房の見学にもいつか行ってみたいです。

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