自宅で書道や家事をしている時にいつも聞いているコンテンポラリークラシック専門のラジオ番組「オッターバ」。
TBSの傘下から外れ、インディーズのラジオ局として10月から新しくスタートしました。

http://ottava.jp/

開局にあたって、プレゼンターの一人であるピアニスト本田聖嗣さんがリスナーに向けて送っていたメッセージが印象的でした。

"ピアニストや、ピアノの先生をやっていると、「音楽」ではなく、「音学」や「音が苦」に、 良く出会います。
そりゃあ、作曲家の創造の現場や、演奏家 の練習の場所には、苦しみも多少ありますが、音楽は本来、「音があって、 楽しいもの」。日本でクラシック音楽が堅苦しいのは、義務教育課程での音楽授業の見事な成果だったり、何事も「○○道」にしてしまう真面目な国民性の影響だと思いますが、OTTAVAでは、私もリスナーの皆様と同じ音を楽しむことに邁進したいと思います。"

音楽だけでなく、日本のアート教育には、もっと楽しみながら学べる場が増えたらいいのになぁといつも思っていたので、思わずうんうんとうなずいてしまいました。

そして上のメッセージ通り、どのプレゼンターの方も、クラシックを(そして時にはクラシックというジャンルを超えて)気軽に音楽を楽しめる番組を作っていらっしゃいます。

私が特に気に入っているプレゼンターは、音楽評論家の林田直樹さんと、三線プレーヤーのゲレン大嶋さん。

林田さんの番組を聞いていると「世の中には自分の知らないこんないい音楽があるんだなぁ」と毎回感嘆するし、ゲレンさんの番組を聞いているとすごく和んで心地よい時間が過ごせます。

ゲレンさんが、「新しいすてきな音楽との出会いは、人生を豊かにしてくれ、心の中をリフレッシュしてくれる」とおっしゃっていましたが、私も新しい音楽との出会いを通じてそのことをいつも実感しています。

林田さんの番組の欠点は、お話される内容が深くていつも聞き入ってしまうので、ついそちらに集中しすぎて家事や書道の練習がそっちのけになっていまうところ。でも、芸術全般に通ずることが多く、学ぶべきところ、共感するところがたくさんあります。

例えば、「何故クラシックの番組なのか?」ということに関して、興味深いことを話していらっしゃいました。

”クラシック音楽は、何百年も前から生き続けていて、どんなに新しいと思える音楽も、古い音楽と何らかの関係を保っています。全ての芸術に言えることだけれども、古い伝統と結びついているからこそすばらしいのだと思います。ロックが死んだとよく言われますが、そもそもロックは新しいようでいて古い音楽との関係を保っていて、ビートルズにせよ、ストーンズにせよ、ルーツミュージックをとても大切にしていたのに、いつの間にその場その場の音楽になってしまった。それが力を落とした原因だと思います。伝統と切り離されたものは衰退していってしまうのではないでしょうか。”

余談ですが、先日読んだ、脳神経外科医の林成之先生の本に「最近耳が遠くなってきたなと思っている方は、じつは脳の機能が落ちているのではと疑ってみたほうがいいでしょう。耳が遠くなる理由は、耳そのものではなく脳のほうに問題がある場合がほとんどです。脳の聞く力の衰えは、意識的に音を聞く耳のトレーニングで防ぐことができます」とありました。

(ラジオは脳の老化防止にも役立ちそうです!)