新宿の車屋で、日本料理を楽しみ人間国宝の講談師一龍齋貞水さんの怪談を聞くという、かなり渋くて粋な催しが開催されました。この企画は毎年開催されていて、今年で11年目を迎えるそうです。

怪談


お食事はお昼スタート。個室で懐石フルコース。
夜なら1万円はしそうな贅沢な内容ですが、これに怪談がついて8800円はかなりお得です。

懐石1

食事の後はお座敷に移動し、一龍齋貞水さんの怪談が始まります。
貞水さんは、照明や音響を演出に取り入れた「立体怪談」を昭和35年から続けていらっしゃいます。

「講談においての怪談は、幽霊が怖いのではありません。その噺の過程にある世の中の仕組み、男女のしがらみ、それを取り巻く人間模様、そして登場する人間のどろどろした思いや、葛藤が、聴く人々に恐怖感を醸し出していくのです」

「時代背景は変わっても、怪談のテーマは昔も今も同じ。悪いやつがいて、だまされるやつがいて、哀れなやつがいる」

と貞水さん。

なるほど。
みんな怪談話が好きな理由がよくわかります。

講談を聞いたのは初めてでしたが、すばらしい一人芝居の舞台を見ているようで、1時間ちょっとがあっという間に過ぎてしまいました。人魂や、灯りのともった提灯、破れた障子に映る人影の中で語られる怪談話。夫に殺された女性の幽霊や、祟られた男性が、貞水さんの声によって見事に紡ぎだされていました。