10月8日から開催されていた東京国立博物館の特別展「京都」。行こう行こうと思っていたらつい日が経ち、気が付いたらもう12月。最終日の12月1日、上野に出かけていきました。

東京国立博物館の門をくぐると、広い敷地内の正面に和洋折衷の大きな本館、左手に青いドームの麦慶館が目に飛び込んできて、いつも異空間に入り込んだ不思議な気持ちになります。

この日も気持ちのいい秋晴れ。麦慶館前の銀杏がきれいです。

銀杏

重要文化財に指定されている麦慶館内部のドーム天井もすてきです。

表慶館

イギリスでは大英博物館やテートギャラリーなどを始め、博物館や美術館の館内スペースを一般に貸し出し、ケータリング会社と提携して、企業イベントや結婚式など様々なレセプションをよく開催するのですが、シャンパングラス片手に、名画の前や、装飾がすばらしい歴史的建造物内のスペースでソーシャライズするのはなかなか優雅な気分になります。明治に建てられたこの表慶館も、天井が高くて、内部のスペースも広々しているので、企業レセプションや結婚式のレセプションにはかなり好条件なのになーと思いながら見学。館内は現在休憩スペースとして開放されています。

肝心の特別展ですが、最終日ということもあってすごい人でした。
大々的に広告が打たれていた洛中洛外図屏風の前は特にすごい人だかり。美しい色彩の屏風には、戦国末期から江戸初期の人々の様子が表情まで細かく活き活きと描かれていて素晴らしいのですが、まず屏風にたどり着くまでに長い行列で、やっとたどり着いたと思ったら、今度は少しでも立ち止まると「立ち止まらないでください!」と係員に怒られるので全然ゆっくり見ることができませんでした……。

屏風

屏風はゆっくり見ることができませんでしたが、今回の特別展は通常の展示と少し違うのが面白かったです。宣伝広告では洛中洛外図屏風にばかりスポットが当たっていましたが、「戦国末期から江戸初期の京都」をテーマに、屏風の細部を展示室の壁面をいっぱいに使って大型スクリーンに表示したり、最新の映像技術や音響設備を駆使して四季折々の龍安寺の石庭を再現した展示室を作ったり、二条城の障壁画を展示物としてただ見せるのではなく城内の空間として再現する工夫がされていたり、芸術作品の展示のみに焦点を合わせるというより、画像や音響も織り交ぜ、ミュージアムエデュケーションを意識した展示であったように思います。

龍安寺スクリーン

東京国立博物館は金曜の夜は遅くまで開館しているので、平日仕事がある方は、人気のある特別展に行く時は金曜の夜がおすすめです。