9月8日まで、東京国立博物館で「和様の書」特別展を開催中です。

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1602

和様の書とは、日本風の書という意味で、中国風の書に対して用いられています。

【日本風の書と中国風の書の比較】
左が日本風の書で、右が中国風の書です。
日本風の書の特徴は、筆がやや右に傾く筆法で、転折の部分が比較的軽く曲線的となっています。

和様の書1


先日、上野毛の五島美術館でも同様のタイトルで特別展を開催していましたが、今回の展覧会も、日本の代表的な書をじっくりまとめて鑑賞できるすばらしい展覧会なので、お時間あればぜひ足を運んでみて下さい。

展示室は5つに分かれています。

1つ目は「書の鑑賞」いうテーマで、伊達正宗、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉など歴史的人物による書や、寸松庵色紙、継色紙などの平安時代を代表する作品、手箱や硯箱、着物など書がデザインされた工芸品などが展示されています。

【重要文化財:金紅片身替文字模様 17世紀】

和様の書3

2つ目は「仮名の成立と三跡」というテーマで、小野道風、藤原行成、藤原佐理など、仮名が成立した平安時代の代表的な作品を展示しています。

【国宝:詩懐紙 藤原佐理】

和様の書4

3つ目は「信仰と書」、4つ目は「高野切と古筆」、5つ目は「世尊寺流と和様の展開」というテーマになっています。

国宝、重要文化財級の書がずらりと並んでいて、とにかくすごい数の展示物なので、一つ一つにため息をついてうっとりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。なるべくなら半日程度の余裕をもって、足の疲れない靴で行かれることをお勧めします。