2019年01月

1月26日から2月3日まで、上野の「Gallery心」にて、「料紙と花」という展示会が開催中です。銀座線の稲荷町から徒歩約5分の、古民家を利用した素敵なギャラリーです。

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こちらで、小室かな料紙工房の小室久さんによる、美しい料紙の作品が展示・販売されています。小室さんは、茨木県常陸太田市に工房を構え、伝統的な技法で仮名料紙の制作を行っていらっしゃいます。

小室かな料紙工房

紙の染めから、版木の彫り、箔加工など、すべての工程を一人で行われているとのことです。料紙とは、主に仮名作品を書くための紙ですが、もはや料紙そのものが芸術作品です。

扇形の料紙
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小屏風。
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小屏風には、細かい絵がデザインされていますが、銀を使って、面相筆で全て手描きされているとのことでした。古筆の本を参考に、再現されているそうです。

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展示会期間中、こちらの2階で仮名料紙のワークショップが開催されています。天井も高く、古民家のよさをそのまま残した空間です。来年は再開発のため、残念ながらこの建物は取り壊されてしまうとのことでした。

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今回のワークショップでは、「継紙」という技法を学びます。
小室久さんが直々に指導して下さいます。

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まず、5枚好きな紙を選びます。様々な紋様や、金箔が入った美しい料紙が並んでいて、どれにしようか悩みます。

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選んだ料紙5枚。
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料紙5枚を重ね、一番上に型紙を乗せます。
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型紙の線に合わせて、彫刻刀を上から押すようにして、料紙に切り込みを入れていきます。

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1枚のハガキ大の紙が、このように分かれました。

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このままだと、切り込みを入れた部分に凹凸があるため筆の走りが悪くなるので、裏面からやすりをかけて滑らかにします。

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次に、刷毛でのりをつけて、紙を貼り合わせます。のりは、小麦粉からグルテンを分けたデンプン「生麩糊」を使います。文化財の修復などに使われているもので、しわになりにくいのだそうです。

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生麩粉に水を混ぜ、弱火で1時間ほど煮たものを刷毛につけ、料紙の裏側に塗っていきます。

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自分の選んだ5枚の中から好きな色を組み合わせ、紙を貼り合わせます。

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完成です!
参加者それぞれ紙の選び方に個性が出て、色々な味わいの継紙がであがりました。

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2時間ほどの作業でしたが、実際に体験してみると、本当に様々な工程をすべて手作業で行うということがわかります。仮名料紙とはどのようなものなのか、ほんの一端でも知ることができ、貴重な体験になりました。

1月19日、清和書道会総会と、昨年の清和書道展の授賞式と祝賀会が開催されました。
会場は、昭和36年に開業した、上野の老舗中華料理店「東天紅」の祝賀会場です。

東天紅

120名の出席者を迎え、華やかな会場となりました。
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昨年創立70年を迎えた清和書道会は、今月発行された競書誌が797号になり、もうじき800号目が発行になります。

開会に際し、清和書道会は和堂先生が亡くなられてから法人化され、運営には会員一人一人が関わっているので、是非今後もみんなで会を盛り上げて頂きたいと会長より挨拶がありました。

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祝賀会に先立ち、総会では畑中常任理事より、昨年の事業報告と決算報告、今年の事業計画がありました。昨年は創立70周年を記念する記念展や、祝賀会などが開催され、当会にとって特別な年となりました。

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続いて授賞式が行われ、受賞者には賞状と記念品が会長より授与されました。
70回清和書展では、清和書展70回記念賞(1名)、会長賞(1名)、毎日新聞社賞(1名)、特別賞(4名)、全日本書道連盟賞(1名)、審査員賞(2名)、清和賞(17名)、特選(9名)、奨励賞(1名)、佳作(17名)、褒状(24名)、U23(10名)の賞が授与されました。

会長賞を受賞された大沼幹事。
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清和書展70回記念賞を受賞された頓所理事より、受賞者を代表したスピーチがありました。
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授賞式の後には、新役員、昇格者の紹介が行われました。
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会の後半では、祝賀会が開催され、和やかな歓談の時間となりました。
この日のメニューは、貝と鶏の炒め物、エビチリ、ちまき、酢豚、杏仁豆腐等々、老舗店らしい王道の中華料理です。
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受賞者の方々にお祝いの杯をつぎならが会場を回る植村斉会長。
和堂先生の後を継いだ当会の会長は、元自動車エンジニア。初代フェアレディーZの開発などに携わったことから、現在も書道の傍ら、Zに関する講演会などを行っています。

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受賞者の方々。
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祝賀会では恒例の福引も行われ、賑やかなうちに閉会となりました。


第70回記念清和書展が、平成30年12月13日~20日、上野の東京都美術館にて開催されました。

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70回記念展ということで、通常の賞の他に「70回記念賞」が設けられ、評議員以上の受賞者と理事の中から1名選出されました。

清和書展70回記念賞
頓所芳梢理事

全体図

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作品部分
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右から会長賞(大沼爽映幹事)、毎日新聞社賞(田中千恵子幹事)、特別賞(大埜荷舟幹事、北村芳雪幹事)の作品。

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当会では毎年、清和書道展と毎日書道展の上位受賞者には、和堂コレクションから貴重な年代物の硯が贈られます。

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楢原萠春会長の作品。

柿渋で染めた紙や、ぼかしが入った美しい紙に千載集和歌が書いてあります。
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仮名主流の当会ですが、数年前から近代詩文の小品の展示も始めました。
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恒例の特別展示のテーマは「和硯」で、和堂コレクションより、産地
19か所 約30面の和硯が展示されました。現在日本で作られる硯は、宮城県雄勝町で算出する玄昌石が多数を占め、他の産地では殆ど制作されていませんが、和堂先生が生前収集されたコレクションには、岩手県から九州まで幅広い産地の貴重な硯が含まれ、赤い雨畑硯や上杉家が所蔵していた豪華な那智石の硯などが展示されました。

和硯の展示

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第1室に受賞者の作品、和堂先生の遺墨・会長・副会長・常任理事の作品が展示されました。

今回は出品点数が多かったため、2×6や半切の縦書き作品で2段掛けになったものがあり、展示方法を工夫してほしいという声がある一方、横書きの作品を多くしてほしいという意見もあり、限られた会場での展示方法に課題が残りました。

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ワークショップ「毛筆に親しむ」では、初めて筆を持つ方にも楽しんで頂けるよう当会インストラクターがサポートしながら、皆さんに色紙と年賀状を書いてもらいました。週末には300人ほどのお客様にお越し頂きました。


外国人のお客様

ワークショップ開催のスペースには、子どもたちの作品が壁いっぱいに展示されました。
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12
月15日の土曜日は、学生部の授賞式、書道パフォーマンス、製硯師の青栁貴史氏による講演が、東京都美術館の講堂で行われました。

書道パフォーマンスでは、大きな字を書く組と、音楽に合わせてダンスをする組の2組に分かれ、「忍たま乱太郎」と「どらえもん」の2曲の音楽に合わせたパフォーマンスが行われました。
歌に合わせて書いて踊って

続く製硯師の青栁貴史氏と、寳研堂の青柳社長の、親子でご出演頂いた講演では、スライドを使いながら、作硯の工房や原石の採掘現場などに関して興味深いお話を頂きました。月の石を持参下さり、今後、その石で硯を作る予定とのことでした。

情熱大陸などで紹介されていたのでご存知の方も多いかもしれませんが、青木氏は、世界中にファンを持つ著名な製硯師としてご活躍中です。

(情熱大陸のリンクが見つからなかったので、こちらのリンクをご参考まで)
青柳貴史 ゴロウデラックス


親子で講演

70周年を記念する展覧会でしたが、清和書道会らしい、和堂先生の流れを汲んだ美しい仮名や写経作品の他に、漢字や近代詩文の作品、子どもたちの作品などが加わり、バラエティーに富んだ展覧会となりました。

今回は約3500名の来場者数があり、出品点数は、前回と比べるとかなりの増加が見られました。お陰様で盛況のうちに70回記念展を終えることができました。


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