2018年07月

画材屋さんで見つけた、リペルという謎の液体。

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特殊な紙の上に、透明の液を刷毛や筆でリペルを塗って、マチエという液を一滴垂らすと、じわーーっと滲んで、不思議な模様が広がります。どんな風に滲んでいくかは予測できないので、眺めていると想像力を刺激されます。

それぞれにタイトルをつけて遊ぶと、アーティスト気分になれてけっこう楽しいです。

「心痛」
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「地底」
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滲まない紙だったら使えるとのことだったので、これは作品に応用できるかも!と思って、ドーサ引きの紙に試してみましたら…。


全然滲まず、失敗。
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作品に応用できたら面白いと思いましたが、簡単にはいきませんでした(-_-;)

今年も毎日書道展の季節がやってきました。
http://www.mainichishodo.org/syodoten/

18毎日会場

7月22日には、京橋にて、清和書道会の毎日展懇親会が開催されました。
今年は22名の受賞者があり、受賞者の皆さんが壇上にて紹介されました。

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書道人口は減っているとはいうものの、出展数32000点あまりという数はすごいです。
受賞式も2000人!

https://mainichi.jp/articles/20180723/ddp/041/040/017000c

漢字、仮名、近代詩、前衛、篆刻、などなど、所狭しとジャンルの違う作品が並んでいるので圧倒されますが、墨のアートを世界に紹介されている北井画廊の北井さん曰く「解ろうとする必要は全く無い。自分自身が気に入った作品を勝手に吟味するのだ。買うんだったら、や、部屋に飾るんだったら、を想定して観るとさらに楽しめる」とのことで、確かにそういう視点で見ると楽しめます。

公募展ではただ作品が単一に並べられているだけなので、「この作品は、もっとこういう表装や額縁で、こういうスペースで飾ったら素敵だな」というのは私もよく考えます。

例えばこちらの、千葉蒼玄先生の「宇宙背景放射2018」という作品。一見すると真っ黒い丸ですが、
近くでよく見ると細かい文字が無数に書いてあるのが分かります。千字文の文字を2018文字重ねて書いてある作品とのことで、遠くで見ると微妙な色の変化が面白い、不思議な作品です。

仮名や漢字など他のジャンルの違う作品とただ並べて陳列されていると異質な感じがしますが、広い白い壁に、どーんとこれだけ一点飾ってあったら素敵だなと思いました。アクリルで光が反射して作品がよく見えないので、アクリルなしの額で、周りに白いマットやも余白が多めにあれば黒い丸が浮かび上がって見えるんじゃないか、などと想像しながら鑑賞すると面白いです。

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(管理人記)

秋に開催する清和書道展に向けて、現在作品を制作中です。

書と絵を一緒にした作品を作りたい、というのが私が目標にしていることの一つなので、毎年清和展では書画を一緒にした作品制作にチャレンジすることにしています。

前途多難ですが、とりあえず1歩ずつということで、、今年で5回目のチャレンジです。

昨年は「絵が目立ちすぎ」との意見多数だったため、今年は色をつけずに、墨一色で紫陽花を描くことに決めました。

去年の記事より

散歩しているときに咲いていた紫陽花が綺麗だったので、あまり深く考えずに決めました。詩も、紫陽花にちなんだ歌にしました。

紫陽花

紫陽花というと夏の花のイメージですが、秋の季語でもあるということだったので、展覧会開催時の秋に展示するのもとりあえず大丈夫そうです。

作品とのバランスを考えて、絵の位置を決めて、下絵を描きます。仮名の紙にそのまま描くと滲んでしまうので、刷毛でドーサを引いてから面相筆という極細の筆を使って墨で線描きをします。ここから色を色を付けていきます。

紫陽花下絵

問題なのは肝心の書ですが、「味わいが足りないので、もう少し味わい深く」という超難解な課題を先生から頂きました…。

どんな作品になるか自分でも想像できませんが、〆切までの数か月でどこまでできるかこれまたチャレンジです。


65日~610日 銀座鳩居堂画廊において舘山佳央米寿記念書展が開催され、連日多くの方にお越し頂きました。今回は「かな」作品を主にまとめられたそうで、舘山先生の作品29点に和堂先生の作品2点を加えて、合計31点の作品が展示されました。作品は今回の展覧会のために書かれたものがほとんどだそうですが、米寿とは思えない若々しもので、絵を添えたものも多く、先生の芸域の広さを感じさせ、会場に和やかな雰囲気醸し出していました。

 

*6月25日 本部において常任理事会で、第70回の清和書展の説明がありました。1215日(土)に東京都美術館の講堂が借りられることになったので、学生部の授賞式、その後若い人たちによるパフォーマンス書道、それに70回記念として和硯の展示を計画しているので、それに関連して寶研堂様による硯の話などを予定しています。


(植村
正記)

7月1日、清和書道会70周年展を記念した祝賀会が開催され、約200名の参加者が銀座の東武ホテルに集いました。現代仮名書道を代表する先生方や毎日新聞の方々、いつもお世話になっている筆や硯、表具専門の方々をはじめ、多くのゲストの方にもご出席頂き、70周年にふさわしい大変華やかな会となりました。

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九州からは、九州国立博物館の島谷館長も駆けつけて下さいました。

現在、書道展覧会では、家に飾ることのできない大きなサイズの作品を展示するけれども、できるだけ多くの人に書作品を見てもらうためには小作品を創作することも大切なのではないか、というお話がありました。

展覧会用の大きな作品は、とにかく紙代もかかるし、書いても飾る場所がないし、売れるわけでもないし、展覧会が終わったら見返すこともないし、この作品の山は一体どうしたものだろう。。。と、私も書道を始めたころから常々感じていたので、この言葉には大きく反応してしまいました。

和堂先生もこのようにおっしゃっています。

「あの馬鹿でかい作品というものは、展覧会の為だけに必要なので、展覧会が終わったら剥がして巻いて押し入れにでも突っ込んでおくより仕方がない」
(『清和70年 植村和堂の足跡』より)

展覧会の作品制作とは別に、今後自分の作品を制作していくにあたって、どのような方向で進んでいったらよいかも常に頭の片隅に入れてアンテナをはっておけたらいいいなと思いました。

また島谷館長からは、文化の継承、ひいては「和堂イズム」をどうやって継続的にしていったらよいか常に心に留める必要があるのではと、今後私たちが活動していくにあたっての貴重なメッセージを頂きました。

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和堂先生は幼少のころ病気をして片方の目の視力と片方の耳の張力を失っています。書家になろうと決心をした10代のころ、書道の練習で字がどうしても曲がったため、自分の母親にどのように曲がっているか書く度に見せては直し、何度も繰り返し練習をしてやっと真っすぐに書けるようになったそうです。

後に、自分が幸せと感じた時の気持ちを歌にして残していますが、その殆どが、「墨をすっているとき」だったり、「墨の匂いをかいでいるとき」だったり、「古筆古写経を広げてみるとき」だったり、好きな書道や古筆に関わっている時のことでした。

陰ながら人の何倍もの努力を惜しまず、好きなことを一生をかけて追及した生き方そのものが、「和堂イズム」のコアになっているのかもしれません。

(管理人記)

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