2017年12月

書道を始めたのが5年前。初心者、初心者と言い続けていたら、あっという間に5年も経ってしまいました。
仮名はやってみればみるほど、難しいと実感します。技術だけでも無理だし、センスだけでも無理だし、美しい線を引くのに何年もの鍛錬が必要なうえ、自分だけの線を探求しようとしたら、いったい何年かかるのか。。。書歴数十年でまだまだこれからなどという会話はしょっちゅう耳にします。

考えるとお先真っ暗できりがないので、日々できることを少しづつ積み重ねるしかないのですが、元々絵を描くことが好きだったので、書道を始めた時から、書と絵と一緒になった作品、そしてできれば「書っておしゃれ」と、書道を全然知らない人が思ってくれるような作品を作ってみたいという目標がありました。

下手でもなんでも、どうせやるなら楽しく自分の個性を活かせる作品を作りたいと思ったので、無理を承知でご指導頂いている先生にはわがままを聞いて頂き、清和展にはいつも絵と一緒に作品を制作させてもらっています。

昨年は時間がなくて、元々別の機会に描いたウサギの絵に合わせて句を書き、上に貼り付けて作品を仕上げたので、表具をしたらバラバラなかんじになってしまいました。ウサギが妙に洋風なのが気になります。友人にも「ピーターラビットだ」と言われましたが、まさにモデルは西洋のウサギ。仮名といまいち合いませんでした。

ウサギ作品


なので今年は書と絵を同時期に制作して一体化したデザインにしようと思い、花の絵で書を縁取って額縁のようにすることにしました。花は近所に咲いていたハナミズキ。水墨画よりも仮名に合うかなと思ったので、中国の工筆画という細密画の技法を使って描くことにしました。

ハナミズキ

ハナミズキをスケッチして構図を考え、額縁部分の絵は夏休みに仕上がったので、そのあとすぐ書の作品制作に取りかかりました。細密画なので、あまり太い線でないほうがよいと思ったので、羊毛を使って、中字にチャレンジです。額縁部分の紙はクリーム色のドーサ引きした紙を使ったので、書の部分は真っ白の紙を選びました。頭の中にある完成品が実力以上のものなので、めちゃくちゃ苦戦し、80枚くらい書いてギブアップ。これ以上はどんなに書いても今は無理ということで、最後から3枚目に書いたものを出品することになりました。

ハナミズキ作品

表具してみて、多くの人に一様に言われたのが、「絵が強い」でした。画家の友人にも、「絵がすごい主張してる」という感想を頂きました。額縁なのでなるべく地味にしようと自分では心がけたつもりですが、葉っぱの緑色を抑えて、分量を少し減らしたらバランスがよかったのかもしれません。あぁ、難しい・・・。

まだまだ道のりは長いですが、来年はどんな絵と組み合わせようか、そろそろ構想を練り始めようかと思います。

2017年12月3日~20日まで、上野の東京都美術館にて、第69回清和書展が開催されました。

17清和展1

今回の特別企画は、当会の創始者である植村和堂の古写経コレクション展示でした。
その中でもメインの一つは、和堂先生が収集した古筆や写経の断簡を貼り付けた「手鑑」。「大聖武」、「伝聖武天皇白麻紙経
、「光明皇后願経」、「小野道風筆」、「二月堂焼経」など、博物館や美術館に所蔵されているような貴重な書が貼付されています。

17清和2

メインの展示室には、特別企画展示の他、植村和堂遺墨、役員の先生方の作品、受賞者作品などが展示されました。

17清和展20

受賞者作品詳細に関しては、別途掲載の「第69回清和書道会受賞者作品」をご覧下さい。
2017清和展受賞者作品

植村和堂遺墨~般若心経~

17清和展18

楢原副会長の作品
~いつの日か終の無言に閉ざさるるわが唇の今日の紅~柳沢桂子
17清和展19

当会は仮名を得意としているため、仮名作品の展示が多数を占めますが、漢字や写経、そして昨年に引き続き、現代の言葉で読める書として発展した近代詩文の作品も募集・展示されました。

高橋芳舟~妙法蓮華経薬草論品第五~
17清和展22

昨年から募集をスタートした近代詩文
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ハマグリに描かれたクリスマスのモチーフときよしこの夜の歌詞。
堀川常任理事による作品です。
17清和展28


土日にはワークショップが開催され、子どもたちに毛筆で好きな字や言葉を書いてもらいました。若手会員の先生方がインストラクターを務めて下さいました。
17清和展23

12月16日(土)には東京都美術館講堂にて授賞式が開催されました。
17清和展24

17清和展25

17清和展26

受賞者には和堂コレクションの硯などが賞品として贈呈されます。
17清和展27

天候に恵まれ、今年も大勢の方にお越し頂き、盛況のうちに展覧会を終えることができました。

第69回清和書道展受賞者作品

和堂大賞-芳賀美和子
17清和3

会長賞-渡辺すみ子
17清和展4

毎日新聞社賞-北村芳雪
17清和5

特別賞
安西翠江
17清和6

特別賞
伊藤嘉枝子
17清和展7

特別賞
鈴木浩清
17清和展8

全日本書道連盟賞~坂元久美子
17清和展9

審査員賞
赤羽根珠苑
17清和展10

審査員賞
橋本栁舟
17清和展11

審査員賞
宮澤佳蓉
2017清和12

奨励賞(U23) 山口藍
17清和展13

佳作(U23)
小峰舞
17清和展14

佳作(U23)
徳井真純
17清和展15

佳作(U23)
藤井桜
17清和展16

佳作(U23) 
山田怜奈
17清和展17

平成29年11月12日 町屋文化センターで漢字勉強会がありました。講師は創玄書道会の佐伯覚明先生で、今回は隷書の勉強でした。課題は鄧文の七言二句を半切に書くことで、字数は七字でも十四字でもよく、行数も一行でも二行でもよいということでした。

当書道会はあまり隷書を書く人がいないということで、佐伯先生による隷書の書き方の基本のお話がありました。まず起筆は蔵鋒で入り、横線は右肩上がりにしない。字形は扁平にして、波磔は一字で一箇所以上は行わない。文字は上下・左右揃え、字の間隔は縦は広く、横は狭くするなどでした。それから先生による模範揮毫の後、各自練習にとりかかりました。 わずか3時間足らずの勉強会でしたが、参加者は以前と較べて隷書らしい字が書けるようになりました。

(植村正記)

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