2017年07月

上野の森美術館で、「石川九楊展」が7月5日から30日まで開催されました。

http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=214

九楊展1

前衛書家の先生にすすめられて、何の予備知識もなく行ったのですが、いわゆる普通の書道展と思っていたので、最初は「これが書?」と度胆を抜かれました。独特の世界に目が釘付けになり、展覧会を見終わる頃にはすっかり虜になってしまいました。

カラマーゾフの兄弟(部分)
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源氏物語書巻55帖より「朝顔」
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源氏物語書巻55帖より「野分」
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ご本人が作品制作をされている映像が会場で流れていましたが、実際に原典の本を見ながら細い筆で制作されていました。
文字が派生してこのような世界に広がっているのでしょうが、見る人によっては色々なものに見えます。
ミロやクレーに通ずるところがあったり、音を表現したカンディンスキーの絵画作品にも通ずるところがあったり。
私には音が聞こえてくるように感じましたが、一緒に鑑賞していた友人は、「三次元ではない、別次元の世界への入り口に見える」と話していました。

源氏物語書巻55帖より「若菜 上」
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西洋画好きの友人にすすめてみたところ、早速見に行ってよかった!と返事があり、友人は、ロスコーやカンディンスキー、クレーみたいと話していました。

ご本人がショップにいらっしゃって、図録に気軽に墨でサインをしてくれたのにも感激しました。ライヒやグラスのコンサートに行った時も思いましたが、素晴らしい作品と、その作品を生み出したご本人を同時に目の前にすることができるのは、本当にすごいことだなと思います。

第69回毎日書道展が、今年も国立新美術館と東京都美術館で開催されました。

http://www.mainichishodo.org/syodoten/

毎年約33000点の出品があり、国内最大の書道展ですが、出品数が膨大なため、場所も東京では2ヶ所で部門別に会期も4つに分かれていて、東京展の後は全国10会場を巡回します。

清和書道会では、かな書のカテゴリーで毎年出品しています。今年は毎日賞2名、秀作賞6名、佳作賞8名の受賞がありました。
出品は207点で、受賞者作品国立新美術館での展示、一般公募入選は東京都美術館での展示になります。

自分の作品を見に行くのも、どの会場にいつ行ったらいいのか、きちんと調べて行かないと、間違った場所の間違った期間に行って見られなかったなどということになりかねません。

受付に行くとこのような紙をもらうことができます。

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例えば、東京都美術館の展示だけでも、3階に分かれていて、部屋数が118もあります。出品者の名前を受け付けに告げると、パソコンで検索して部屋番号を教えてくれ、その部屋をめざします。

ずらーっと並んでる出品作品の前を通り過ぎ、目指す部屋番号を探します。迷路のようです。とにかくその数に圧倒されます。
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東京都美術館は駅から少しありますし、この暑さで、自分の作品を見に行くのは面倒だな、と思うとつい足取りも重くなりますが、会場に飾ってあるのを見るとやはり勉強になります。自分の部屋で何枚も同じのを書いているとだんだんわからなくなってきますが、こうやって他の作品と壁に並んでいるのを改めて見ると、ダメなところが改めてよくわかるというか、来年はもっと上手に書きたいな、という気にさせてくれます。

国立新美術館には役員の先生方や受賞作品が展示されています。

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佐藤芙蓉副会長の作品。
~よられつる野もせの草のかげひろて涼しく曇る夕立の空~西行

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楢原副会長の作品。
~秋風は君が山河へ吹きゆかむ蕭條として美しくして~清水比庵

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7月23日の午後は、芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で表彰式が開催されました。
https://mainichi.jp/articles/20170724/ddp/041/040/043000c

同じ日の夜は、清和書道会の毎日書道展のレセプションが、京橋のアリスアクアガーデンで開催されました。

会長のスピーチでは、「受賞者の実力があるのはもちろんですが、裾野が広がれば広がるほどその会の受賞者の数も増えるので、これはみんなで取った賞と考えて下さい」との言葉がありました。

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スピーチの後は受賞された方たちの紹介が行われ、記念品が贈呈されました。
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受賞者の紹介と、受賞者によるスピーチの後は、懇親会が開催されました。毎年、普段顔を合わせることのない方たちとの貴重な交流の場となっています。

ビール、ワイン、カクテル、日本酒、焼酎、等々、飲み放題なので、お酒もすすみます。
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テーブルごとで取り分けるスタイルのお料理です。
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女性が多いので、デザートも好評でした。
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受賞された皆様、おめでとうございました!

渋谷にメインのお教室を設けている「国際墨画会」の国際公募展が、今年も六本木の国立新美術館にて開催されました。
書道と同時期に始めた水墨画ですが、こちらのお教室に通い始めて4年目、今年3度目の出品をさせて頂きました。

17墨画展1

http://sumi-e.or.jp/infomation/2017/06/29/%e7%ac%ac%ef%bc%91%ef%bc%97%e5%9b%9e%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%85%ac%e5%8b%9f%e5%9b%bd%e9%9a%9b%e5%a2%a8%e7%94%bb%e4%bc%9a%e5%b1%95%e3%82%92%e7%b5%82%e3%81%88%e3%81%a6/

会期は6月14日から26日までの約2週間。来場者は合計で1万人を超え、毎日2回(週末は3回)開催されるワークショップの参加者も、見学を含めると1000人を超える盛況ぶりでした。

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ワークショップは1回45分間で、竹の描き方をレクチャーします。参加者の皆さんにも描いてもらい、最後は落款を押して作品として仕上げてお持ち帰り頂いています。参加は無料ということもあり、大変人気があり、水墨画が初めてという方が多いですが、毎年このワークショップを楽しみに参加されている方も大勢いらっしゃいます。また、外国人の参加もとても多く、回によっては参加者のほとんどが外国人ということもあります。

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講師は、国際墨画会の講師資格者が担当します。展覧会前の授業では、ワークショップ講師としての授業が開催されます。私も今年3度目の講師体験でしたが、毎回シチュエーションが違うので、楽しい反面、何度やっても緊張します。今年担当した回では、昨年も参加されたという方が数名と、初挑戦という方が数名と、韓国とタイからの観光客の方が参加してくれました。

国際墨画展の特徴は、様々な国からの出品があることです。中国、台湾、マレーシア、オーストラりア、イギリス、アフリカ等々、色彩も豊かでバラエティーに富んでいます。また国際公募なので、誰でも応募することができます。今年は中国の西安からの応募者が受賞し、レセプションに参加するためにご夫婦で来日されていました。

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余談ですが、こちらは同時期に開催されていた公募展のポスターです。

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いつも思うのですが、書道や絵画の公募展のポスターは日本語の文字しか書いていないものがほとんどなので、特に国立新美術館は海外の来場者がとても多い美術館ですし、海外の方が見ても何の展覧会なのか分からないのが残念です。国際墨画会展の、特に海外からの来場者が多いのは、ポスター効果もあるのではないでしょうか。

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