2015年06月

ロンドンから北へ長距離列車で約3時間。
スコットランド国境にほど近い場所に、ニューキャッスルという街があります。

【ニューキャッスルの街並み】
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鉄道の父と呼ばれる鉄道技術者のジョージ・スティーブンソンや、ミュージシャンのスティングの出身地です。

ここに、BALTICという、コンテンポラリーアートの発信を目的とした、展示・イベントスペース、アーティストスタジオ、レクチャースペース、図書館、ショップ、カフェ等を完備した施設があります。2002年オープンという比較的新しい施設ですが、昔の製粉工場を改装しているため、外観は趣があります。

入館料も、特別展も、レクチャーも、すべて無料です。

baltic

私が訪れた時は、アイルランドとアメリカのアーティストの特別展を開催していました。
欧米の博物館や美術館に行っていつも思うのが、展示物と鑑賞する側の距離が近いことです。
特に、小さい子どもたちが本物のアートをごく身近に感じることができる機会が多いのはすてきなことだなと思います。

私が訪れた時は、アイルランドのアーティストの特別展を開催していました。

新聞のスクラップを切り貼りして作品を作るアーティストなのですが、下の写真は、子どもたちがそれを真似て、新聞の切り貼りをしてオリジナル作品を作っている様子です。

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一般のお客さんも、普通に鑑賞しています。
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こちらは、赤ちゃんを連れてママ友たちが集うことのできる、絵本図書館と遊戯スペース。
奥は小さな展示会場になっていて、ここでも特別展を開催していました。
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1階にはお洒落なカフェとショップがあり、川を眺めながらのんびりすることができます。
地元の人たちの憩いの場所にもなっているようで、すてきな空間でした。

ちなみに余談ですが、ニューキャッスルから電車で10分くらい南に行ったところに、映画「リトル・ダンサー」や、「ハリーポッター」の舞台にもなった、ダーラムという町があります。小さな町ですが、大聖堂や古い町並みが美しく、素通りしてしまうのがもったいないくらいすてきな場所です。ロンドンから北へ観光される機会があって、時間に余裕がある方にはおすすめです。

【ダーラム大聖堂】
ダーラム

秋に開催される清和書道展の作品〆切が8月末と迫ってきました。
現在、会員の皆さんは作品作りに熱心に取り組んでいらっしゃいます。
先日6月21日にも、作品作りの勉強会が開催されました。

201506勉強会

清和は仮名書道を専門としていますが、今年は漢字かな交じり書の作品も展示しようという初の試みが行われる予定です。
書道人口が減少しつつある現代、時代に合ったやり方を模索したいという会長の思いから、「仮名の美しさを活かした清和独自の漢字なか交じり書の作品を作ってみませんか」と、会員の方たちに提案したのがきっかけです。

前回の練成会で披露された、清和の会員の方による漢字かな交じり書
2015清和近代詩文1

2015清和近代詩文2

漢字かな交じり書(調和体、近代詩文書、現代詩文書など色々な名称があります)とは、戦後に発展した新しい書表現で、現代の言葉を現代の書として表現したものです。

現代に生きる自分たちの言葉で、
誰にでも読める書表現を用いて、
感動を呼ぶ作品を生む―。


頭では理解したようなつもりになっていても、実際に作品にしようとすると、とてつもなく難しいテーマです。。。

先日、出光美術館の学芸員、笹嶋忠幸先生による「書表現と言葉」というテーマの講演会を聞く機会があったのですが、そこで先生は、

前衛絵画なら、人は「わからない」と言って簡単に通り過ぎるが、書の場合、内容が読めると読もうとする。
そして、内容に頼りすぎると、不器用な作品でもOKになってしまう。
読めることは果たしてプラスアルファになっているか?


というような疑問を投げかけていらっしゃいました。

前回のブログでも少しご紹介しましたが、6月14日の清和書道会総会後に行われた「漢字かな交じり書」の講演会にて、辻元大雲先生は、

漢字かな交じり書とは、「読める」+「感動をもたらす」書。
感動をもたらす書とは、書く人と見る人が感動を共有できる作品。
意味を超えた世界、言葉に秘められた世界、心の世界を共有できる表現が感動を呼ぶ。


とおっしゃっていました。

辻本先生の作品↓言葉ではうまく言えないけれども、好きな絵画や音楽に触れた時と同じように、私にとっては「なんかすごくいい!」と率直に心に訴えかけてくる作品です。
辻元先生作品10

例えば古典的な仮名作品だったたら、たとえ読めなくとも、流麗な文字の流れ、余白の美、料紙の美しさなどで魅せますが、
漢字かな交じり書は、それにプラスアルファで「誰にでも読めるその内容」が鑑賞時のポイントに加わるのだな、ふむふむ。

……(-_-;)

しかし実際に作品にするとなると、どうしたらよいのかさっぱり分からないのが正直なところ。

自分が感動した詩や名言を文字にしてみても、下手くそであればあるほど安っぽくなるのは目に見えているし、そもそも内容メインで感動させるなら活字と大差なくなってしまうような気がします。

「近代詩文書は、正直、上手・下手は見てもよくわかりません。でも、”トレーニングした字か?その成果を工夫しているか?書き込んでいるか?”で、なんとなく良し悪しがわかるものなんですよね」
と笹嶋先生。

「心の世界を共有できる世界」を書で表現するとなると、相当の技量が要求されるは間違いなく、書歴2年半の自分はどうがんばってみても、よくトイレに飾ってあるカレンダーにある標語のようになってしまう気がします。

標語カレンダー

「読める」+(その内容オンリーでなく、書表現をプラスして)「感動を呼ぶ」=漢字かな交じり書

どうしたらよいものか、悩ましい限りです。

下記の通り、「法人せいわ会」の第13回総会が開催されました。

日時:6月14日(日)15時30分~16時30分
場所:日暮里駅前ホテルラングウッド2階会議室
法人会員:129名 出席者:51名 委任状:69名
報告事項:平成26年度事業報告
議題1) 平成26年度決算報告
議題2) 監査結果報告
議題3) 平成27年度事業計画

いずれも、全員一致で可決されました。

また、総会終了後、辻元大雲先生の調和体(近代詩文)書道に関する講演会が開かれました。
辻元先生は、全日本書道連盟参与、毎日書道界評議員・毎日書道展審査会員、近代詩文書作家協会副理事長、
書道芸術院理事長などを務められており、日本を代表する近代詩文書の第一人者としてご活躍です。

辻元先生プロフィール(公式サイトより)
http://www3.ocn.ne.jp/~itm/shoukaitai.htm

調和体の歴史をはじめ、その芸術がいかに始まり、発展し、今後どのように歩んでいくべきかなど、大変わかりやすくお話をして頂きました。清和でも新しく調和体を始めようという活動が進んでいますが、総会に出席された皆さんも熱心に聞き入っていらっしゃいました。

辻元先生が作品をいくつかお持ち下さったので、講演後にはくじ引きによる抽選が行われ、総会に出席された方々にプレゼントされました。

【会長による報告】
2015総会1

【辻元先生による講演会】
2015総会8

【辻元先生の作品】
2015総会3

6月12日(金)から14日(日)までの3日間、神楽坂パルスギャラリーにて、当会の幹事を務めていらっしゃった五十嵐祥光先生(本名静子。土曜教室所属)の遺墨展が開催されました。

これまで書き溜めていた作品、また展覧会に出品した作品など、遺作30数点に加え、
書作品の他にも、趣味で各地を旅行した時に描いた水彩画のスケッチ40点も展示されました。

五十嵐1

五十嵐2

五十嵐3

書道を習い始めた時に、一緒に始めた水墨画と工筆画。

元々絵が好きで、書と絵が一つになった作品作りに興味があったので、サイトで検索し、自宅から近いところと、時間の都合がつくところをピックアップし、「国際墨画会」が主催するお教室に2年前から通い始めるようになりました。

http://www.sumi-e.tokyo/info.html

こちらの会は渋谷を中心に活動を展開されていますが、平均年齢が高いと言われている世界では珍しく(書道も同様ですが)、平均年齢30代という、大変活気のある会です。若手の先生方も大勢活躍されています。カリキュラムや人材育成プログラムがしっかりと組まれていて、組織のシステムが非常に明確なのもよいところ。プロを目指す方から趣味で習いたい方まで、色々な方がお教室に通われています。

そして何よりいいのが、自由な雰囲気!展覧会の作品は、各々が好きなものを好きなサイズで自由に描いています。海外にもお教室を展開しているので、アフリカ、アジア、ヨーロッパなどからの出品も多数あり、楽しい雰囲気が満載です。

毎年公募展を開催し、六本木の国立新美術館で展覧会を行いますが、今年も6月10日から22日まで開催されます。

http://www.sumi-e.tokyo/info.html

以前ブログでもちょっとご紹介しましたが、私も猫の絵と、女の子の絵を出品し、猫の絵は「奨励賞」を頂くことができました。

http://seiwashodo.blog.fc2.com/blog-entry-168.html

猫の皿

そして先月には講師資格を取得することができたので、会期中のワークショップにて、竹の絵のレクチャーをさせて頂くことになりました(^^)

水墨画と工筆画にご興味のある方はぜひお越しください。

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