2015年02月

当会の副会長、楢原萠春先生の個展が下記の通り開催されますので、お知らせ致します。

会期:2015年3月17日(火)~3月22日(日)
    10:00-18:00(最終日は16:00まで)
会場:東京銀座画廊美術館8階
    中央区銀座2-7-18(銀座貿易ビル)
    地下鉄銀座線銀座駅A13番出口/地下鉄有楽町線銀座1丁目駅9番出口
電話:03-3564-1644
後援:毎日新聞社、全日本書道連盟、かな書道作家協会、清和書道会


”俳句・和歌の達人に人の生き方のあり様を感じ、その想いを私なりに表現いたしました。どうぞご高覧下さい”
楢原先生個展

2月17日から22日まで、銀座画廊美術館にて、創立55周年記念かな書道作家協会展が開催されました。
昭和35年に発足した会の現在会員数は1000名余で、そのうち、毎日書道展審査会員・会員など一定の資格を得た約600名より選抜・出品されました。

2015年2月かな展2

かな書道を得意とする清和書道会は、かな書道作家協会に所属している会員の方が多いですが、今回の展覧会にも多数の出品がありました。

ここには、当会役員の先生方の作品をいくつか紹介させて頂きます。

斎藤美子顧問
2015年2月かな展1

楢原萠春副会長
2015年2月かな展3

佐藤芙蓉副会長
2015年2月かな展4

小林青漣常任理事
2015年2月かな展5

児玉春泉常任理事
2015年かな展6

西山渓舟常任理事
2015年かな展7

以前ブログでもご紹介させて頂きましたが、かな料紙を伝統的な手法で手作りされている、小室かな料紙工房の小室久さん。
http://seiwashodo.blog.fc2.com/blog-entry-101.html

そして、京都を拠点に活動されているガラス作家の神永明美さん。
http://akemikaminaga.wix.com/glass

お二人により、これから訪れる春にぴったりの、こんなすてきな作品が制作されました。

ガラス雛とかな料紙の屏風。
ガラス雛

「わぁ!きれい!」と、思わず声をあげたくなるお雛様です。
http://akemikaminaga.wix.com/glass#!かな料紙-の-屏風/c16ad/20320E34-09A1-4C7A-8701-0B90035DA6AA

「お雛様」、「かな料紙」、「かな文字」という伝統的なモチーフと、モダンでシンプルなデザインと、ガラスという繊細で透明感のある素材が一体になって、とてもお洒落で美しい作品です。イタリアモダン家具が置いてあるような部屋に飾ったら似合いそうです。

伝統的なかな文字の美しさも、こうやって身近なものと一緒に、もっと広く世の中に伝えられていけたらすてきです。小室さんや神永さんのお二人の活動のように、異なる分野の作家さんとのコラボは、とてもすばらしい試みだと思います。

2月14日と15日の2日間にかけて、中央区産業会館(東日本橋)にて、冬季練成会が開催されました。
毎年夏と冬に開催される恒例のイベントですが、今回は毎日展出品作品の練習を主に行う方が多かったようです。

いつもは箱根や伊豆で宿泊施設に泊まり込みでの練成会でしたが、今年は都内ということもあり、日帰りの方や、初日もしくは2日目のみの参加の方もいらっしゃいました。フレキシブルなスケジュールは好評で、例年よりも多い約50名の参加がありました。

2015冬季練成会1

講師に斎藤美子顧問、楢原萌春副会長、佐藤芙蓉副会長の3名をお迎えしました。

2015冬季練成会2

基本的に参加者は3名の講師の方それぞれに、一日1回添削してもらうことができます。添削してもらった後は、先生方のアドバイスを元に作品制作を続けますが、助講師の方々3名が巡回してサポートして下さいます。

2015冬季練成会3

今年は初日の練習後、調和体に関するシンポジウムが開催されました。
清和は古典かなを得意としている書道会ですが、今後、その美しいかなを活かした独自の調和体にも作品の幅を広げられないだろうかと会長が提案したことからスタートした活動です。

調和体は、近代詩文や漢字かな交じり書などとも呼ばれていますが、戦後、金子鷗亭氏などを中心として提唱され、漢字とかなが交ざった「読める」書として発展してきました。

http://www.mainichishodo.org/gendai/kindai/

今回は数名の先生方にお声かけをし、トライアルとして作品を書いてきて頂きました。

2015冬季練成会4

07c56931.jpg


2015冬季練成会6

2015冬季練成会7

2015冬季練成会8

2015冬季練成会9

まだスタディーを始めたばかりですが、古典かなの伝統を継承している先生方の作風を存分に活かした調和体作品を見ることができるのはとても楽しみです。

「日本民藝館」で、3月22日まで「文字の美」展が開催中です。

http://www.mingeikan.or.jp/

「日本民藝館」は、井の頭線の駒場東大前駅から徒歩数分の場所にあります。
駒場東大前は渋谷からわずか2駅。
駅前には言わずと知れた東大がありますが、周辺はのどかな雰囲気の落ち着いたエリアです。

日本民藝館。
民藝館1

ネット検索していて偶然みつけた特別展のタイトルに惹かれ、初訪問。
今までこんなすてきな場所があることを知りませんでした。

和風建築の外観はもちろん、内観もすばらしいです。
木の温もりを大切にした和風建築独特の居心地のよさもさることながら、さりげなく置いてある家具や小物、展示方法などなど、何から何までセンスがよく、洗練された空気が広がっています。

入口正面の壁には、大きな漢時代の拓本が飾ってあります。
博物館で展示物を鑑賞するというよりは、展示物を身近に感じながら、空間そのものを楽しめる作りになっています。
民藝館3

古い学校の教室のような雰囲気の展示室。
民藝館4

木枠のガラスケースや磨かれた木の床にほっとします。
民藝館5

「日本民藝館」は、「美の生活化」を目指す民藝運動の本拠地として、思想家の柳宗悦(1889-1961)により設立されました。

あまりにもすてきな場所だったので、もっと柳宗悦のことを知りたくなり、売店で売っていた『柳宗悦』(中見真理著/2013年岩波新書)を買ってみました。彼の活動を、多民族・多文化が共生する「複合の美の思想」という興味深い切り口で、わかりやすく書かれている本で、夢中で読破。途中、そうそう!と共感する部分が多く、自分が大切にしたいと思う芸術の方向性を考える上でとてもよい刺激を受けることができました。

宗悦の言葉より。美しい表現です。
「野に咲く多くの異なる花は野の美を傷めるであろうか。互いは互いを助けて世界を単調から複合の美に彩るのである」

「新奇なものを作ろうとするたくらみや、自分の名前を売り出そうとする作為から離れ、ひたすら実用に即したものを作ろうとするとき、材料がもっともよく活かされ、労働と美が結合し、優れた美が生まれる。そこには華美も他への威嚇もみられず、素直で親しみがもてる静寂な美が保たれている」


今回の特別展「文字の美」には、「既成の価値観、書道の習慣などに縛られず、柳宗悦自身が美しいと感じた文字を民藝館のために蒐集したもの」が展示されていて、通常の書道展などとは全く趣旨が異なり、とても感銘を受けました。

現在開催中の特別展「文字の美」の展示室。
民藝館5

文字がデザインされた日本の羽織や陣笠、皿、版木、和時計、花瓶などの他に、中国の拓本、韓国の文字絵、グレゴリオ聖歌の楽譜、イギリスの陶器などが展示されていました。コレクションのセンスも抜群です。

神秘思想を中心とした宗教研究、ウィリアム・ブレイクの先駆的研究、木喰仏の発見とその研究、沖縄方言論争、仏教美学樹立への挑戦等々…宗悦の多様な経歴を聞いて、コレクションの幅の広さと一貫性に納得。本当にわくわくします。

「水の字に魚」自在横木(囲炉裏で梁から吊るす自在鈎の部分) 飛騨地方 江戸時代
民藝館8

版木 江戸時代
民藝館9

中でも私が気に入ったのは、かなで書かれた般若心経。
民藝館7

おそらく平仮名しか知らない信者が、江戸期か明治以降あたりに書いたものと説明にはありました。
有名な書家や僧が書いたものではありませんが、強く心を打たれる書で、しばし見入ってしまいました。

こちらも無名の人が書いた室町時代の手紙。
民藝館10

高名な書き手の作品ではなくとも、どこか惹きつけられる温かさや味があります。
展覧会のためではなく、心の中から湧き出た感情や思いを自然と表現できる書が自分でも書けたらなぁと思います。

廊下のスペースもすてきです。
このベンチに座って、陽だまりの中、ずっと前の壁に飾ってある拓本を眺めている人がいました。
民藝館10

日本民藝館で貴重な時間を過ごした後、近所を散策に行きました。

近くには駒場公園があり、ここには旧前田侯爵邸があります。
駒場公園1

和館は工事中ですが、洋館は無料で入ることができ、カフェもあります。
駒場公園2

中はかなり広いスペースで、レセプションにぴったりです。
プロのケータリングやイベント会社と協働して企業や結婚式のレセプションに貸し出したらさぞかし人気が出るのではないでしょうか。

駒場公園3

重要文化財なので色々と規制があって難しいのかもしれませんが、例えばロンドンではカンパニーリバリーホールという同業組合の所有する歴史ある建物が多数残っていて、そこでは結婚式や会社のイベントなどが開催できるようになっています。歴史的建造物が地元住民の生活にとても身近なものとして活用されています。

http://www.liverycompanies.info/a-z-list-of-companies/livery-halls.html

私が以前勤めていた会社では、下記リンクの Merchant Taylors'で新しいトップの就任レセプションを開催したことがあります。ホールにはイベントを担当している部署があって、プロのケータリング会社や、契約しているフラワーアレンジメントのアーティストやフォトグラファー、ミュージシャンなどと一緒に相談をしながら、イベントを作っていくシステムができています。
http://www.mtaylorsevents.co.uk/the-rooms/the-great-hall

美術館や博物館もしかり。テートモダンのピカソやマティスの絵の前や、大英博物館の古代の遺物の前で、ワインを飲んだり、カナッペとシャンパンで談笑できるというすてきな機会を持つことも可能です。日本でも、公共のすばらしい施設がもっと住民の身近なものになったらいいのにとよく思います。

そして、もう一つ、侯爵邸で残念なのは、トイレにあった特大消臭力と、けばけばしい色のいわゆる懐かしの便所スリッパ。。。さりげないインテリアをトータルコーディネートしたらもっとすてきになるのに惜しいです。

侯爵邸の近くには、日本近代文学館もあります。

http://www.bungakukan.or.jp/

こちらでは現在、「近代文学の名作・大正」という展示会をやっています。
作家の手書きの原稿や、当時の本などが展示してあります。

デザインがとってもお洒落。
文学館2

若かりしころの谷崎潤一郎。けっこうイケメン。
文学館4

こちらにも面白いカフェがあります。コーヒーの名前には鴎外や、芥川など、作家の名前がついていて、壁一面に本がずらり。日本文学好きにはたまらないスペースです。
http://tabelog.com/tokyo/A1318/A131801/13146659/

駒場東大前散策、なかなか密度の濃い時間が過ごせて、個人的にはかなりおすすめです。

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