2014年04月

4月22日から7月13日まで東京国立博物館で開催される『キトラ古墳壁画』展が開催中です。
7世紀末~8世紀の、レプリカではなく本物の壁画を目にすることができる貴重な機会です。

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1646

これは、剥離が著しい漆喰部分を最新の技術を駆使して取り外し、保存修理されたもので、再来年には飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内に設置される予定の体験学習館に保存管理・公開されるため、明日香村以外での公開は最初で最後とされています。

キトラ1

今回は、開催前日の内覧会に行ってきました。
レプリカも多く展示されていて、最大の見どころである本物の壁画は3点、一番奥に展示されています。
それぞれのサイズもわりと小さめです。

キトラ3

古代飛鳥時代の絵の本物を見られる機会など滅多にないし、実物を目にしてみてすばらしいなぁと感動することはしたのですが……

とにかくすごい人混みで、奥に展示してある目玉の壁画を見るために長蛇の列ができていて、押し合いへし合いのごった返しの中、ようやく本物の目の前に立てたと思ったのも束の間、「立ち止まらないで下さい!」という係員の方の声と、後ろから押される波で、じっくり鑑賞している時間が全くなかったのが残念です。

展覧会会場入り口。
キトラ2

たくさんの作品が展示されている通常の展覧会と違って今回の目玉はほんの数点のみなので、それがじっくり見られないと、かなり物足りない気分を味わうことになります。

混雑状況を博物館がツイッターに載せていますが、入場制限をしている時間帯もあるようです。
制限をしていなくても、時間によっては入場まで70分、中に入って30分待ちなどと書かれています。

https://twitter.com/kitora2014

ご興味ある方は、出来るだけ空いていそうな平日の時間帯をおすすめします。
特にGW中は避けた方が無難だと思われます。

今年も7月9日から7月21日まで、国立新美術館と東京都美術館にて毎日書道展が開催されます。
http://www.mainichishodo.org/syodoten/

作品は誰でも出品することができます。出品された作品に対しては審査が行われ、入選作品のみが会場に展示されます。そして、その中からさらに文部科学大臣賞、会員賞、毎日賞などの受賞作品が選ばれます。
http://www.mainichishodo.org/syodoten/65_prize.php

清和書道会からも毎年多くの方が出品していますが、提出の締め切りが迫っているため、皆さん出品用の作品づくりに余念がありません。そんな最後の追い込みの時期に入り、4月6日、町屋文化センターにて、「毎日展下見会」が開催されました。
毎年この時期に開催される下見会では、出品用の作品を講師の先生に見て頂いたり、出品票、添付用紙の記入の仕方などのレクチャーが行われる機会が設けられます。

作品締め切り前最後の勉強会とあって、59名もの参加者があり、会場の椅子が足りないほどの盛況となりました。

2014年下見会1

作品を掲げて先生から講評を受け、必要に応じて添削が入ります。
「良く書けました。これでいいでしょう」との先生のお墨付きを貰っている方もいらっしゃいました。

2014年下見会2

余談ですが……

大きな作品をレクチャー用に掲げる際、いつも係の方が椅子に立ち、手を伸ばして紙を持って支えていましたが、今年からは便利な道具を使用したので楽に作品を皆さんにお見せすることができました(上記写真、作品の後ろに座っている方たちはその便利な道具を手にしています)。

以前石飛先生のお教室にお邪魔した際に教えて頂いた、100円ショップのほうきと厚紙と洗濯ばさみで簡単に作れる、2 X 8(にはち:2x8尺=60.6×242.4の紙)対応の秘密兵器。これに作品を挟んで、柄を持って上に掲げれば、椅子に立って手で持ち上げなくても楽にオーディエンスに作品を見せることができます😊

ほうき

半紙でしばらく高野切れの臨書を練習した後、今度は古筆用の料紙で練習するため、紙を買いに行きました。

向かった先は、恵比寿駅から徒歩5分くらいのところの翠祥堂さんです。
かな料紙を専門に扱っていらっしゃる書道用具専門店です。

http://www2.tbb.t-com.ne.jp/suisyoudou/ryoushi.html

翠祥堂2

料紙とは書に用いる紙をさしますが、伝統的な技法によって紙を染めたり、文様を刷ったり、金・銀の箔を使って装飾を施してあり、翠祥堂さんの料紙は一枚一枚職人さんが手作りされています。

職人さんによる専門サイト。ご興味ある方はぜひご覧になってみて下さい。様々な技法があって、どれも芸術的で美しいです。
http://kanaryoshi.com/kanaryoshi/

国立博物館では、過去に料紙をテーマにした展覧会も開催されています。とても奥の深い世界です。
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=495

翠祥堂さんでは、様々な古筆にあわせた料紙が販売されています。お値段は、安いもので1枚800円程度から、高いもので1枚1万円近くするものまでと幅広いです。

翠祥堂

初心者の私は書き損じ率99.99%が予測されるため、高価な手作り料紙はもったいないので、目の保養にすばらしい料紙を鑑賞させて頂いた後、「高野切練習用」の料紙40枚セット2000円(295 X 365cm)を購入しました。

練習用紙

今年に入り、毎日展作品作りのため、先生のすすめで高野切の臨書を始めることに。

「高野切」と呼ばれている古筆は平安時代に書写された古今集の写本の通称で、古今集の写本としては最も古く、日本書道史上最も重要な作品の一つとされています。

現存している高野切は3人の筆者によって書かれていて、それぞれの筆者ごとに書風が異なり、第一種、第二種、第三種に分かれています。どれも同書風の古筆がたくさん現存していますが、「その中のどれを持ってきても高野切れの出来栄えには及ばず、”古筆の中の帝王”と言った先人の評価は尊重すべきである」と、故植村和堂は言っています。

現在、五島美術館で開催中の「春の優品展~歌・物語の世界~」(4月5日~5月11日)でも高野切が数点展示されているので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい。

http://www.gotoh-museum.or.jp/exhibition/open.html

今回臨書することになったのは、第三種です。植村和堂は、はじめて仮名古筆を学びたいという人に、下記のようなアドバイスをしています。少し長くなりますが、とても参考になるので以下抜粋してみました(『書道技法講座⑩<かな>高野切れ第三種』二玄社より)。

「初めて仮名古筆を学びたいという人には、私は高野切三種の系統から入るようにと勧めています。それは決してこの書風がやさしいからではありません。私が高野切三種の書風を勧めるのは、拡張の高さと、姿の正しさとを、先ず以て会得して貰いたいからなのです。時代の下った仮名にはゆがみというか、デフォルメというか、一種の癖が見られます。癖のある書風は真似がし易いので早く調子が呑み込めますが、その癖がこびりついてしまうと、なかなか抜け切れなくなって、調子の高い仮名のよい所が見え難くなったり、違った用筆法が学び難くなったりするおそれがあります。

人は誰でも安易につく事を好むものですが、書道の勉強は安易に終わってはなりません。

仮名の手本は最初からなるべく程度の高い、それでいて習い損じても悪い癖のつくおそれのない、技法の優れたものを選ぶことが大切です。そういう条件に適っているのが高野切三種なのです」


人は誰でも安易につく事を好むものですが、書道の勉強は安易に終わってはなりません。

う…。耳が痛い…。

そんなわけで、年明けより、半紙から練習を始めましたが、筆づかいに慣れるのにまず一苦労。
なんといっても、仮名は昨年いろはを始めたばかり。
すっと一つ線を引くのもうまくいかず…。

道のりは、はてしないです。

高野切半紙

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