「世界を変える美しい本」という、タラブックスの絵本を紹介する展覧会に行ってきました。タラブックスとは、美しいハンドメイドの絵本を作っている南インドの小さな出版社です。
世界を変える美しい本ポスター足利

インドの民族画家による絵を、少し厚目の風合いのある手漉きの紙に、シルクスクリーンで一枚一枚職人さんが刷り、糸で製本した、工芸品のような絵本を製作しています。オールハンドメイドで、1冊1冊にシリアルナンバーが入っています。

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画像: インド・タラブックスの挑戦 より(写真:松岡宏大)

初めてタラブックスの本に出会ったのは、京都の恵文社という、本のセレクトショップでした。アンティーク風の内装に、思わず手に取りたくなるような面白そうな本や、センスの良い雑貨が所狭しと並べられていて、ギャラリーも併設されているお洒落な本屋さんです。

そこで出会った、タラブックスの「夜の木」。

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ページをめくると、インクのいいにおいが漂ってきて、なんともいえない味わいがあります。絵の一枚一枚が、今まで見たことのない不思議な世界で、すっかり魅了されてしまいました。

夜の木

そんなタラブックスが出版する絵本を紹介する展覧会が、全国を巡回中なのですが、東京での展覧会に行きそびれ、現在は6月まで栃木県の足利市で開催中とのことだったので、足利市立美術館まで足を運んできました。

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今までタラブックスが出版した絵本の原画や絵本が多数展示されていて、とても見ごたえのある展覧会でした。

「夜の木」原画
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「太陽と月」原画
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日本語版「太陽と月」。夜の木同様、日本語版はタムラ堂さんが発行しています。
太陽と月


インド西部、ワールリー族の画家による絵
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インド版「ピノキオ」
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インド中央部、ビル族の画家による絵。
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インド西部、ミーナ族の画家による絵。
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インド東部、ミティラー画の女性アーティストによる絵。
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インドの民族画は、伝統的なパターンや図柄がベースになっていますが、それぞれのアーティストがとても自由に、活き活きとしたタッチで、私たちが学校で習う西洋画とは全く別の表現方法で独自の世界を創りだしているのが大きな魅力です。

6月2日まで足利市立美術館で開催し、その後は京都と福岡に巡回予定とのことです。

足利といえばフラワーパークが有名なので、こちらもちょうど藤が見ごろだったので立ち寄ってみました。藤が咲いている期間中は朝7時から開園とのことなので、平日8時ごろに行ってみたら人があまりいなくてゆっくり見ることができました。展覧会とフラワーパークをセットにするのであれば、朝早くに藤を見てから美術館に行くのがおすすめです。

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