先月末まで東京国立博物館で開催されていた顔真卿展。

顔真卿

「書道をやっているなら絶対行っておいた方がいい」と色々な人に言われていたものの、混んでいると聞いていたし、正直(書道を勉強してはいるものの)漢字を見てもよくわからないし、わざわざ出かけるのはめんどくさいな、、、というのが正直なところでした。

でも結果は、行って本当によかったと思えた展覧会の一つになりました!

台湾の故宮博物院所蔵の、日本初公開、唐時代の僧、懐素による「自叙帖」には特に目が釘付けになりました。

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「酒を飲んで自己を解放し、草書で胸懐を吐露した」という懐素。文字がまるで生きているよう、とか、踊っているよう、とか、紙から直にエネルギーが伝わってくる、というような表現はよく聞きますが、書を鑑賞して、それをここまで強烈に感じたのは初めてでした。書のことがよくわかならくても、紙面を通じて何かが伝わってきて、大きく心を揺さぶられました。

展覧会目玉の、顔真卿の「祭姪文稿」は、展覧会場内でそれを見るための列に並ぶこと20分、やっと順番が回ってきて見ようとしても、係の方に「立ち止まらないでください!」を連呼されるので、素通り状態。鑑賞するというより、まさに「見た」というだけでした。

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それに比べ、懐素の書は並ばずにじっくり見ることができたのもよかったです。

「自叙帖」は本も売っていますが、このような長い巻物は、右から左へ、全体の流れを感じるのが醍醐味だということが、会場に足を運び、実物を見てよく分かりました。

本のコピーを貼り合わせたハンドメイド自叙帖:))
自宅で懐素ワールドに浸れます!
臨書にも役立ちそうです。

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3月24日まで、六本木の森アーツセンターギャラリーで、新北斎展が開催中です。

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北斎と言えば、「富嶽三十六景」や「北斎漫画」が有名ですが、75歳から亡くなるまでの晩年に描いた肉筆画が見られると聞いたので、絶対行きたいと思っていた展覧会です。「あと10年、いやあと5年命が保てば真正の画工になれたのに」と言い残し、90歳で息絶えたと言われている北斎。1983年に西新井大師の物置から発見されたと言われる「弘法大師修法図」など、晩年とは思えない迫力の作品が展示されています。

弘法大師修法図
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北斎展としてはかなり規模の大きな展覧会なので、一見の価値があるとおすすめしたいのですが。。。

会期後半に入っていることもあり、とにかく人が多いです!

平日の午前中に出かけましたが、チケットを買うだけで60分待ち、入場するのに30分待ちと言われげんなりです。土日はもっと混雑するとのこと。ツイッターの「新北斎展」公式アカウントでも混雑状況を随時アップデートしているので、参考にされてもいいかもしれません。日によってまちまちとのことでしたが、夕方以降の方が、比較的すいているらしいです。

もし興味がある方は、事前にチケットを手元に用意してから行くことをおすすめします。森アーツセンターギャラリーがある六本木ヒルズ内のオフィスビル4階にナチュラルローソンがあるので、チケットを持たずに会場に行ってしまっても、ローチケで購入した後、そこで発券するとスムーズです。

どの展覧会もそうですが、行くなら会期前半の、なるべく早めに行った方が空いてていいですね。新北斎展とセット券として一緒に販売されている、東京都美術館で開催中の「奇想の系譜展~江戸絵画ミラクルワールド」も、4月7日までなので、もし行く予定がある方はなるべく早めに予定をたてられた方がよいかもしれません。

2月5日から28日まで、銀座のエルメスで面白いイベントが開催中です。

「ピアニスト」向井山朋子展@銀座エルメス

ピアノ数台を配置したインスタレーションが目を惹く空間で、オランダ在住で世界的に活躍されているピアニストの向井山朋子さんが、展示期間中、毎日時間を少しずつずらしながら演奏していくという趣向です。演奏時間は1時間ほどですが、午後3時にスタートの日もあれば、夜中の3時にスタートの日もあります。

写真は公式ホームページより
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あまり知られていませんが、エルメスの他にもシャネルやディオールなど、ハイブランドのフラッグシップショップにはアートイベントやコンサートを開催するホールが設けられていて、そこで多くは無料のイベントを開催しています。

シャネル ネキサスホール

今月エルメスで開催のイベントも無料で、誰でも予約なしにピアノ演奏を聴くことができます。

私が行った日は、夜の7時からの演奏開始でした。会社帰りに寄れる、ちょうどよい時間だったので、ホールは満席状態でした。

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観客もアートの一部になるというコンセプトなので、椅子が用意されているわけではなく、それぞれ好きな場所で床に直接座ります。希望する人にはブランケットを配布してくれます。

ピアニストご本人の書き込みがびっしりの楽譜も間近でみることができます。
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この日の演奏は、シメオン・テン・ホルトのミニマルミュージック。会場の独特な雰囲気と相まって、幻想的な演奏に惹き込まれます。
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人が多かったのがネックでしたが、「飲んだ帰り、夜中にふらりと立ち寄ってみたら人もまばらでほぼ貸し切り状態…」みたいな状況だったら、感激もひとしお間違いなしです。

なかなか夜中や明け方は行くのが難しいかもしれませんが、月の後半は午前中に演奏する日もあるので、ご興味あれば是非。

50回 現代女流書100人展(併催「現代女流書新進作家展」)が、下記の通り開催されます。
お近くにお立ち寄りの際は、是非お越し下さい。

 

会場: 日本橋高島屋S.C本館 8階特設会場

    (地下鉄日本橋駅下車)

会期: 平成3143()48日(月)

    午前10時~午後8時

    (入場は7時半まで、最終日は6時まで、入場は5時半まで)

主催: 毎日新聞社、現代女流書展事務局


当会からの出品者

現代女流書100人展:楢原萠春先生、佐藤芙蓉先生

現代女流書新進作家展:岡崎爽峰先生

1月26日から2月3日まで、上野の「Gallery心」にて、「料紙と花」という展示会が開催中です。銀座線の稲荷町から徒歩約5分の、古民家を利用した素敵なギャラリーです。

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こちらで、小室かな料紙工房の小室久さんによる、美しい料紙の作品が展示・販売されています。小室さんは、茨木県常陸太田市に工房を構え、伝統的な技法で仮名料紙の制作を行っていらっしゃいます。

小室かな料紙工房

紙の染めから、版木の彫り、箔加工など、すべての工程を一人で行われているとのことです。料紙とは、主に仮名作品を書くための紙ですが、もはや料紙そのものが芸術作品です。

扇形の料紙
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小屏風。
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小屏風には、細かい絵がデザインされていますが、銀を使って、面相筆で全て手描きされているとのことでした。古筆の本を参考に、再現されているそうです。

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展示会期間中、こちらの2階で仮名料紙のワークショップが開催されています。天井も高く、古民家のよさをそのまま残した空間です。来年は再開発のため、残念ながらこの建物は取り壊されてしまうとのことでした。

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今回のワークショップでは、「継紙」という技法を学びます。
小室久さんが直々に指導して下さいます。

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まず、5枚好きな紙を選びます。様々な紋様や、金箔が入った美しい料紙が並んでいて、どれにしようか悩みます。

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選んだ料紙5枚。
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料紙5枚を重ね、一番上に型紙を乗せます。
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型紙の線に合わせて、彫刻刀を上から押すようにして、料紙に切り込みを入れていきます。

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1枚のハガキ大の紙が、このように分かれました。

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このままだと、切り込みを入れた部分に凹凸があるため筆の走りが悪くなるので、裏面からやすりをかけて滑らかにします。

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次に、刷毛でのりをつけて、紙を貼り合わせます。のりは、小麦粉からグルテンを分けたデンプン「生麩糊」を使います。文化財の修復などに使われているもので、しわになりにくいのだそうです。

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生麩粉に水を混ぜ、弱火で1時間ほど煮たものを刷毛につけ、料紙の裏側に塗っていきます。

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自分の選んだ5枚の中から好きな色を組み合わせ、紙を貼り合わせます。

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完成です!
参加者それぞれ紙の選び方に個性が出て、色々な味わいの継紙がであがりました。

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2時間ほどの作業でしたが、実際に体験してみると、本当に様々な工程をすべて手作業で行うということがわかります。仮名料紙とはどのようなものなのか、ほんの一端でも知ることができ、貴重な体験になりました。

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