種を1つ2つまいて、必ず実がなるわけじゃない
実がなったからといって、甘い実がなるかどうかは分かんない
そこまでいくためには、ひじょうにたくさんの無駄がある
基礎研究というのはね、無駄なんですよ
だけども、無駄の中から大きなものが出てくる


ご自身の研究について昨年のテレビ取材でお話されていた、ノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶さんの言葉です。受賞後の記者会見でも、心に響く言葉がたくさんありましたが、私には特にこの言葉が印象的でした。

これって、どの分野にも言えることだなと思います。
もちろんアートの世界にも。

何枚も練習で紙を費やして、作品づくりでは駄作や失敗作が山のように生まれて。。。
実に無駄ばかり。
とほほな毎日ですが、それでも、その中からいいもが出てくると信じたいし、いいものが出てくるためには、きっとたくさんの無駄を費やさないとだめですね。












12月13日~20日にかけて東京都美術館で開催される清和書展では、特別企画として植村和堂がコレクションしていた硯の展示が行われます。それに先駆け、清和書道会の機関誌で紹介された、植村会長による硯に関するエッセイを紹介させて頂きます。

ここで紹介されている硯も展示予定なので、ご興味ある方は展覧会にぜひお越し下さい。

「硯の変わり種」 (植村斉記 書つれづれより)

 
文房四宝と呼ばれる筆・墨・硯・紙のうち、硯は耐久消費財なので、実用上の目的のほかに、収集・ 愛玩の対象となっています。

 

仲間内で自慢の硯を持ち寄って鑑賞する洗硯会という催しがあります。水を張った盥の底に硯を沈めて、周りを取り囲んで鑑賞するのでその名があるようですが、水を通して眺めたほうが、石紋や石色が鮮やかに浮かび上がるのでしょうか。もっとも、ある中国の文人が日本を訪れたとき、人々が盥を囲んで集まっているので、金魚でも鑑賞しているのかと近寄ってみたところ、硯を水に沈めて眺めているので、日本人は奇妙なことをするものだと感心した、という話を聞いたことがあるので、中国にはない日本独特の風習なのでしょうか。


和堂先生も、著書『筆墨硯紙』の中で硯の鑑賞法として、「石色・石質を見て、硯式・彫琢を見て、手に取って撫でさすり、爪で弾いて声を聴く」と書いていますが、水に沈めて眺めるとは言っていません。


中国の屯溪に行った時、「老街」という商店街の通りをぶらぶら歩いていたら、大きな文具店の店先に水を張った水槽が置いてあり、中に歙州硯の原石が幾つも沈めてありました。縞模様が綺麗だったし、文鎮としても使えそうなので一個買いました。従って水槽に硯石を沈めるという習慣は中国にもあるようです。石に傷をつけないための配慮なのでしょうか。

図1)老街

 

和堂先生の収集品の中から、主として愛玩用の変わった硯を幾つかご紹介します。

 

玉硯
白玉を硯の形に成型したもの。表面は平滑で鋒鋩がないので、墨を磨っても殆んど磨れませんが、見た目は美しく手触りも滑らかで、鑑賞用には最適です。

図2)白玉硯
 

扁舟硯
小舟の形をした自然石。硯面は凸凹があって硯としては使えそうもありません。形が硯に似ていて面白いので、和堂先生が何処かから拾ってきて愛蔵品に加えたのでしょうか。

図3)扁舟硯

墨硯
清代の有名な女流作硯家=顧二娘=が制作した「杞栁硯」を墨で模したもの。墨は成型性が良いので自在な造形が可能です。

図4)杞栁硯

 

木化石硯

紫檀木の化石を硯に仕立てたもので、原産地はタイ国です。鋒鋩はあるので墨は摺れそうですがまだ試していません。

図6)木化石硯

 

菊花石硯

菊花石とは、玄武岩の中に石英が花模様のように入り込んだ観賞石です。これを硯に仕立てたのが菊花石硯で、実用というよりやはり観賞用の硯でしょう。

図7)菊化石硯

 

木硯
木製の硯。硯面には砂を撒いて漆で固めてあります。大層軽いので、旅行などの携帯用として便利です。鋒鋩がすぐになくなるので、メンテナンスには手間がかかりそうです。

 
図8)木硯

瓦当硯
瓦当の裏を研磨して硯の形に成型したもの。使った形跡がありますが、硬度が低そうなので、使い続けるとどんどん磨耗して凹んでしまいそうで心配です。

図9)瓦当硯表 図10)瓦当硯裏

陶硯
陶器製と磁器製がありますが、どちらも陶硯と呼ばれています。石の硯を使うようになったのは、中国では六朝時代以降、我国では平安時代になってからで、それまでは陶器や瓦の硯が専ら使われていて、膠で固めた固形墨を磨るのではなく、上で墨丸を磨り潰したり、墨の粉末を溶いて墨汁を作るのに使いました。


図11)陶硯 図12)陶硯

泥硯
唐硯の四大銘硯というと、端渓硯、歙州硯、澄泥硯、魯硯ということになっています。澄泥硯は嘗て泥を焼き固めて成型した硯だと思われていたのですが、現在では蘇州の霊巌山から採れる自然石を加工したものと判明しています。しかし、自然石の澄泥硯とは別に泥を焼き固めて造る泥硯も存在しました。写真の泥硯の裏面の銘文には「・・・・関底析出験之固是澄泥故知為宋朝物也」とあります。

図13)泥硯

この泥を焼き固めて硯を作る技術は長らく失われていたようですが、最近復活したと見えて「唐・宋時代の澄泥硯を現代に再現する」として、『汾河澄泥硯』と称する泥硯のカタログが送られてきました。

図14)澄泥硯カタログ

第70回記念清和展が、下記の通り開催されます。
お近くにお立ち寄りの方はぜひお越し下さい。

会場:東京都美術館1階 第3展示室

   JR上野駅下車 徒歩10分

 

会期:平成29年12月13日(木)~12月20日(木)

   午前9時30分~17時30分

   (最終日は15時まで) 入場は閉場の30分前まで

   休館日 12月17日(月)

   

特別企画:東京都美術館展示場内(全て無料)

(1)和堂コレクション展示:和硯

(2)講演会:講堂 12月15日(土)15時~16時 / 講師 青栁貴史氏(製硯氏)
(3)  学生席上揮毫:講堂 12月15日(土) 14時~15時

(4)ワークショップ:12月15日(土)~16(日)10時~16時30分

    子供たちに毛筆で年賀状や好きな字や言葉を書いて貰います。
         インストラクターが指導します。どなたでも参加可能。時間内に会場にお越しください。


授賞式・祝賀会  
日時 平成31年1月19日(土)12時~14時

会場 東天紅上野店

 

 9月1日~2日にバス旅行が開催され、20数名が参加しました。1日目の午前中は宇都宮市にある大谷観音を拝観、午後は益子焼窯元文ンターで陶芸体験をし、手びねりで、皿や湯呑をつくりました。2日目の午前は、西の内和紙資料館で、すき絵体験をし、漉いたばかりの和紙の上に色の着いた和紙の繊維で絵や字を書きました。午後は那珂湊の魚市場と幕末と明治の資料館を見学しました。

9月16日~17日は、夢の島にある東京スポーツ文化館で夏季錬成会が開催されました。2日間宿泊コース、2日日帰りコース、1日だけのコースとあり、50名の人が参加しました。会場は広く十分なスペースがあり、余裕をもって書くことできました。2日目の午後から講師の先生による講評がありました。清和書展の〆切まではまだ少し時間がありますが、参加者の皆さんはかなり仕上がったこと思います。

(植村正記)

レストランNAZEMで、シリア料理を食べに行ってきました!

レストランNAZEM

レストランNAZEMは、シリア難民の就労支援を目的に、クラウドファンディングで資金が集められ、期間限定で青山にオープンしたレストランです。

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クラウドファンディング~シリア難民シェフに厨房を!~

シリア料理レストラン

私はクラウドファンディングが終了してからこのプロジェクトのことを知ったので、クラウドファンディングで支援はできませんでしたが、一般の人も予約なしでレストランに入れるとのことだったので、ランチに行ってきました。

プロジェクトを立ち上げた代表の森川さん始め、お手伝いされているスタッフの方たちの熱意が伝わってくる空間でした。こういう若い方たちのすばらしい活動、微力ながらエールを送りたいです。

シェフを務めるのは、シリアのシェラトンやカールトンなどの一流ホテルで長年シェフとして活躍されていたナーゼムさんです。

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スパイスが効いたグリルチキン。

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ナーゼムさんの料理は、野菜がたっぷり入っていて、とても優しい味で、初めてシリア料理を食べる日本人の舌にもぴったり。

シリア風ピラフ。

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ひよこ豆のペースト、ホンムス。レモンが効いています。

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ビュッフェスタイルで、ワンプレートドリンク付きで1500円。
週末は行列していたようで、閉店時間前に売り切れになってしまうほどの盛況だったようです。

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私は昔シリア大使館で働いていたこともあり、ご縁があってシリアには戦争前の平和な時期に数回訪れたことがありますが、文明の発祥地である土地にはあらゆる時代の遺跡や建築物があり、文化が豊かで本当に素晴らしい国です。一日も早く復興することを願ってやみません。

今回は9/4-13日の期間限定ランチのみのレストランでしたが、継続的にオープンする可能性も視野に入れているとのことでしたので、またレストランが営業することがあるようだったらぜひ食べに行きたいと思います。



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