橙月水墨画教室 Sumi-e class in Tokyo

西日暮里と世田谷用賀で水墨画教室開催中です。 渋谷の国際墨画会では、英語クラスを担当しています。 Sumi-e class in Nishinippori and Setagaya (Yoga) in Tokyo. International Sumi-e Association in Shibuya, English class lecturer.

国立新美術館の毎日展では、昨年同様併設の企画展が開催されていますが、今回は「毎日書道 海外展のあゆみ」として、世界37都市で展開してきた交流事業を紹介すると共に、昨年のパリ展で出品された作品が展示されました。

そしてなんとびっくりしたことに、入り口付近にはミロの書が!!!
ミロは大好きな画家の一人ですが、彼の書が展示されているとは驚きです。
1966年に来日した際、毎日新聞社の新社屋完成を祝って「祝毎日」と、墨で書いた作品だそうです。

ミロの書
© The Mainichi

これを機に、諸芸術を通じた交流文化の構想がふくらみ、70年にパリ展が開催され、以降、世界各国で海外展が開催されてきたとのことです。

http://sp.mainichi.jp/shimen/news/20140711dde012040017000c.html

ミロの書、線にも温かみがあって、なんとも味のある作品です。

前衛書のように「祝毎日」と独特のフォルムに変形された文字が紙面に配置されていますが、画面いっぱい「ミロの世界」になっているところがすごいです。

漢字を書いてるのに、どこを見ても「ミロ色」。
いやぁ、ほんとにすごいです。

Joan Miro
http://matome.naver.jp/odai/2134029483591764101

六本木の国立新美術館にて、8月3日まで毎日書道展が開催中です。

http://mainichi.jp/feature/news/20140710k0000m040038000c.html

http://www.nact.jp/

第66回を迎える今年の毎日書道展は、総出品数が3万3000点を上回り、清和書道会からは304点(うち4点はU23)の出品があり、16点の入賞がありました。

「毎日賞」を受賞した清和書道会の宮崎洋流幹事の作品。
宮崎洋流

それにしても、前回初めて来たときも思いましたが、とにかく数がすごいです。
国立新美術館の3フロアを使って、112部屋に、作品がぎっしり並んでします。

66回毎日展1

全部見るのは無理なので、取り急ぎ自分のついている先生や知り合いの作品がどの部屋に展示してあるか入口で調べてもらい、その作品を見に行き、後は入口付近の偉い先生方の作品を中心に見ることにしています。

正直、書の鑑賞に関してはよく分からないことだらけなので、なるべく多く本物の作品を見て、目を肥やすべく日々修行中です。

66回毎日展2

そんな修行中の身ではありますが、このような現代書壇の方々の作品が並ぶ展覧会でいつも目を引くのが小山やす子先生の作品です。小山先生の作品はいつ見ても「お!」と心惹かれます。

66回毎日展3

繊細で優雅で本当に美しいです。
料紙の色の組み合わせもお洒落だし、近代詩文書や前衛書や現代的な作品が多い中、伝統美と見事に融合した作品が際立っているように感じます。

66回毎日展4

66回毎日展5

清和書道会創設者の植村和堂の作品も、いわゆる古典の正統派です。伝統を継承した書体は美しく、見るものを魅了しますが、習うのはかえって難しく、同じようにはなかなか誰も書くことができません。

和堂作品

伝統的な美を継承しつつ、新しいものを作っていく。
書道だけでなく、芸術の世界では共通のテーマですが、とてつもなく難しいことだなぁと思います。

富岡鉄斎(1836-1924)展が、出光美術館で8月3日まで開催中です。

http://www.idemitsu.co.jp/museum/honkan/exhibition/present/index.html

鉄斎の絵を初めて見たのは、テレビで見た富士山図屏風。
http://www.asahi.com/kokka/masterpiece/6.html#1

「これが富士山?」(「全体像を見る」の、左側の富士山頂上をアップで描いた図)と、ものすごい衝撃を受け、感動したのを覚えています。
今まで見たこともない幻想的かつ不思議な迫力のある絵にすっかり魅了され、いつか兵庫県の鉄斎美術館に行ってみたいとずっと思っていたので、このたび出光美術館で没後90年展を開催すると聞いた時は思わず小躍り。

鉄斎は幕末・明治・大正を生きた文人画の巨匠で、理想郷を描いた書画を多く残しています。

鉄斎独特の書と絵の世界に引き込まれます。
鉄斎2

彼の描くユートピアには、「見たことのない岩山」、「滝などの水」、「自分が住むことのできる庵」が、そして手前には、こちら側と向う側の世界を隔てる印となっている、「水辺や舟とそれにかかるアーチ型の門」が描かれているとのことです。

こちらは鉄斎最晩年、88歳の作品「蓬莱仙境図」。思うままに筆が流れ、抽象画を見ているような感じです。摩訶不思議なエネルギーに包み込まれそうになります。
鉄斎3

鉄斎、理想郷の書画の他にも、ユーモアや人間味に溢れた作品を数多く残しています。人間や動物の表情がとにかく魅力たっぷりで可愛いです。

鉄斎5

鉄斎8


鉄斎4

どれも思わず笑顔がこぼれるすてきな作品なのですが、今回特に立ち去りがたかった作品は、大きな屏風に描かれた「放牛桃林図」。

鉄斎7


鉄斎6

山と、桃の木と牛が描かれた大きな屏風が二つ、L字型に展示されています。遠くの山の景色が右側に、中央に行くに従って近くの景色が描かれているので、屏風手前からゆっくりL字型に沿って歩いて行くと、遠くの景色から理想郷の世界にあたかも自分が入り込むかのような、粋な工夫が展示に活かされています。

牛の表情がなんとも可愛いです。
鉄斎8

鉄斎9

展示の作品は全て出光美術館の所蔵ですが、同美術館で鉄斎展が前回開催されたのは10年前。今後もいつまた開催されるかは未定とのことでした。すばらしい作品ばかりなので常設展でも見られたらよいのですが、今のところその予定はないそうです。

あと1週間ちょっとの展示期間となってしまいましたが、ご興味ある方は、鉄斎の世界にどっぶりと浸れるすばらしい展覧会なのでぜひ行かれてみてはいかがでしょう。

白菜のニュースでご存知の方も多いかと思いますが、6月24日から9月15日まで、国立博物館で、「台北 國立故宮博物院 神品至宝展」が開催中です。

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1647

すでに来場者10万人突破のニュース
http://www.j-cast.com/2014/07/03209542.html

門外不出の白菜(7月7日まで限定公開)には、最高で240分待ち(!)の行列ができたそうです。

白菜

売店にはこんなものもまで(写真ではよく見えませんが、左下は白菜ペン)。

白菜グッズ

白菜人気はすごいですが、同じ玉を使ったものでは、個人的には「人と熊」にすっかり魅了されてしまいました。
ものすごく小さい作品ですが、熊の表情や全体のフォルムが可愛くて、なんとも魅力的です。

人と熊

他にも、書画、陶磁、染織、漆工等々、貴重な数多くの名品が展示されています。

書の名品もずらりと並んでいるので、書道をやっている方、書道に興味がある方は必見です。

黄庭堅筆 北宋時代(11世紀)
黄庭堅

孫過庭筆 唐時代(687年)
孫過庭

私の場合、展覧会ではいつもさくっと回った後、気に入ったものだけじっくり見ます。特に展示数の多い展覧会では全部見ると疲れてしまうので、興味の薄いものはほとんどスルーして、好きな作品の前でははじーーーーっと粘ります。人が多い時は、目の前で何分も粘るのは迷惑をかけてしまうので、遠くからじーーー。変質者みたいですが、本当に好きな作品に出会うと、展覧会を去りがたくて、出口に行っては引き返し、何度も見に行ってしまいます。

今回の展覧会で私が見惚れた作品は、王蒙の「具区林屋図軸」(元時代 14世紀)。
大胆な構図とユニークな筆づかいがすばらしかったです。
王蒙

王蒙2

とにかく人出がすごいので、ご興味ある方は混雑状況を確認してから行かれることをおすすめします。

https://twitter.com/taipei2014tokyo

毎年6月には一般社団法人せいわ會の総会が開催されますが、総会後の恒例イベントとして、様々な分野の専門家をお呼びして講演会が行われます。

今年はゲストスピーカーに、小室かな料紙工房の三代目、小室久さんをお迎えしました。

http://kanaryoshi.com/artisan_studio/artisan/

小室かな料紙工房は、以前ブログで少しご紹介させて頂きましたが、恵比寿の料紙専門店「翠祥堂」の料紙を制作していらっしゃる工房です。

伝統的手法に則って丁寧に手作りされた料紙は、一枚一枚が芸術作品で、ため息が出るほど美しいです。
このブログにもリンクが貼ってありますが、料紙についての詳細は小室かな料紙工房さんのサイトに掲載されていますので、ご興味ある方はぜひご覧になってみて下さい。

http://kanaryoshi.com/kanaryoshi/

今回は料紙について、材料や道具、制作工程などについてお話をして頂きました。

こちらは料紙の版木です。材質は山桜の木で、浮世絵版画の彫り師さんに文様を彫ってもらうとのことです。
木版

実演指導も行われました。
料紙実演風景

今回参加者が挑戦したのは、版木に砂子(銀の粉)を定着させた和紙を乗せ、上から陶器で紙をこすり、文様を「擦り出す」作業です。手袋をしているのは、手の脂が紙についてしまうと、墨を弾いてしまうからだそうです。
実演

「擦り出し」と呼ばれる手法です。上の作業によって、無地の和紙に、美しい文様が浮かび上がります。
料紙2

書道をやっていても、料紙をどのように作るのか、なかなか実際に目にする機会がないので、皆さん興味津々で実演に取り組んでいらっしゃいました。料紙工房の見学にもいつか行ってみたいです。

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