橙月水墨画教室 Sumi-e class in Tokyo

西日暮里と世田谷用賀で水墨画教室開催中です。 渋谷の国際墨画会では、英語クラスを担当しています。 Sumi-e class in Nishinippori and Setagaya (Yoga) in Tokyo. International Sumi-e Association in Shibuya, English class lecturer.

東京駅で時間が空いたので、偶然目についたポスターにふらりと吸い寄せられ、東京ステーションギャラリーに入ってみました。

http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

企画されていたのは、日本画家大野麥風(1888-1976)展で、主に彼が手がけた「大日本魚類画集」の魚の木版画が展示されていました。

チケットがお洒落です。

Bakufu

東京ステーションギャラリーに入ったのは初めてでしたが、内装にオリジナルの煉瓦壁がそのまま活かされていて、ゆったりと落ち着いて作品が鑑賞できる、とても心地よい空間でした。

入口でチケットを購入すると、まずエレベーターで3階に上がります。3階の展示室を鑑賞した後は階段で下り、2階の展示室を巡ります。博物館や美術館の展覧会に行くと疲れてしまうことが多いですが、このギャラリーの空間や動線は何となく余裕があって、散歩するような感覚で、とても落ち着くことができました。

bakufu2

わさわさと人の多い東京駅周辺ですが、思いがけず癒されて、すてきな時間を過ごすことができました。

9月8日まで、東京国立博物館で「和様の書」特別展を開催中です。

http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1602

和様の書とは、日本風の書という意味で、中国風の書に対して用いられています。

【日本風の書と中国風の書の比較】
左が日本風の書で、右が中国風の書です。
日本風の書の特徴は、筆がやや右に傾く筆法で、転折の部分が比較的軽く曲線的となっています。

和様の書1


先日、上野毛の五島美術館でも同様のタイトルで特別展を開催していましたが、今回の展覧会も、日本の代表的な書をじっくりまとめて鑑賞できるすばらしい展覧会なので、お時間あればぜひ足を運んでみて下さい。

展示室は5つに分かれています。

1つ目は「書の鑑賞」いうテーマで、伊達正宗、織田信長、徳川家康、豊臣秀吉など歴史的人物による書や、寸松庵色紙、継色紙などの平安時代を代表する作品、手箱や硯箱、着物など書がデザインされた工芸品などが展示されています。

【重要文化財:金紅片身替文字模様 17世紀】

和様の書3

2つ目は「仮名の成立と三跡」というテーマで、小野道風、藤原行成、藤原佐理など、仮名が成立した平安時代の代表的な作品を展示しています。

【国宝:詩懐紙 藤原佐理】

和様の書4

3つ目は「信仰と書」、4つ目は「高野切と古筆」、5つ目は「世尊寺流と和様の展開」というテーマになっています。

国宝、重要文化財級の書がずらりと並んでいて、とにかくすごい数の展示物なので、一つ一つにため息をついてうっとりしていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。なるべくなら半日程度の余裕をもって、足の疲れない靴で行かれることをお勧めします。

毎日書道展特別展示として、国立新美術館で手島右卿(1901-1987)展を開催しています。
右卿は、徹底した古典学習の上に、美術としての書を目指し、世界的に活躍した日本を代表する書家の一人です。

作品はどれも心に響くものでしたが、個人的に特に印象に残ったものをご紹介します。

入口付近に展示してあった「山行」という作品。右卿46歳の作品で、”美術としての書”への挑戦という意欲作とのことですが、ぱっと見た時、なんとなくパウル・クレーを思い出しました。

ゆうけい

【パウル・クレーの作品】

Paul Klee


「猫」右卿85歳の作品。
「”書かれた猫字”ではなく、「猫字が居る」の印象でなくては、存在感的には無策の作ということになる」(右卿)

ゆうけい2

ゆうけい3


作品はもちろんですが、右卿語録もすてきです。


わたしは今 真の書を生みたいと 必至である

身に備えあれば 胸に盈ちて来ると同時に

おのずから 作品は生れる

何の怖れることも 歪めることもなしに

そっと

いのちを紙の上に 載せることはできないものか


Now, my focus is inevitably a desire to give birth to true sho.

when the body is prepared, and sho wells up inside you,

It flows forth naturally.

Without being afraid of anything or changing any details

quiety

can't we express our life on a piece of paper?



光を孕んでいなければならないのです

空間も文字も

光を吸い込んで

初めて生き生きとしてくるのです


Sho must be filled with light.

Space and characters come to life

only once they have taken in light.

六本木の国立新美術館で開催中の、毎日書道展の後期展に行ってきました。
1階から3階までの広大なスペースに、ずらりと作品が並んでいます。
相当な数なので、出品している先生、家族や友人の作品をピンポイントで見たい場合は、受付で名前を言うと、場所を教えてくれます。

毎日展3


後期は、仮名と近代詩文書、前衛書の展示だったので、古典的な作品と一緒に抽象画作品のような前衛書が並んでいて、とても面白いです。

清和書道会は古典が主ですが、このような展覧会で色々なスタイルを見ていると、自分の好みもはっきりしてくるので、今後の作品作りの際にはとても参考になりそうです。

毎日展2

毎日展4

五島美術館で、「日本の名蹟~和様の書の変換~」展が7月28日まで開催中です。
書家・古筆研究家の飯島春敬氏(1909-1996)のコレクションから日本の書の名品約100点が選ばれ、展示されています。

http://www.gotoh-museum.or.jp/exhibition/open.html

五島美術館は、東急大井町線の上野毛駅から徒歩約5分のところにあります。
立派な家が立ち並ぶ高級住宅街を歩いて行くと、美術館入り口前の大きな樹が見えてきます。
日差しの強い日には涼しげで、優雅な姿にしばし目を奪われてしまいました。

五島美術館

美術館入口です。敷地内にはすばらしい日本庭園もあって、ゆっくり休日を過ごしたい時などには最高の場所です。

五島美術館3

今回の特別展は、平安時代から江戸時代までの日本の名筆がずらりと展示されていて、とても見ごたえがあります。
私などは仮名文字もまだろくに読めない書道初心者ですが、やはり実物を目にすると、印刷されたものとは全然違い、墨の色の美しさや、なんとも言えない風合いにみとれてしまいます。「よくわからなくてもなんだかすごくいい」と心をわしづかみにされてしまう作品は、どの芸術にも共通しているから不思議です。時代ごとのすばらしい仮名文字の変換をじっくり鑑賞できるよい機会なので、あまり書道に触れたことがないという人にもおすすめの展示会です。

【古今集切 平安時代中期】
五島美術館4

【高野切 平安時代中期】
五島美術館5

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